「夜用ナプキン」を日中に使ってますか?→経血量が多い証、婦人科へ 貧血の可能性も「パッケージに記載してほしい」医師の願い

太田 浩子 太田 浩子

「夜用ナプキンが日中でも必要、という方は、
生理の量が多すぎて知らぬ間にすごい貧血になっている可能性があるので産婦人科を受診して頂きたい、
というのを一生懸命伝えていても意外と知らない方が多く、
夜用ナプキンのパッケージに記載して頂きたいなー、、と思って、」

 生理用ナプキンを販売する企業に、夜用ナプキンのパッケージに記載してもらうようにお願いしたという、産婦人科専門医の「稲葉可奈子(@kana_in_a_bar)」さんのツイートに注目が集まりました。

「周りと経血量比べたこともないし、学生時に産婦人科行くこともなかったので自分が普通と思ってました。。なので、そうやってパッケージに記載があるともしかして自分普通じゃない?と思えるきっかけになりそうで素敵だなと思いました✨☺️」
「既に過去のことですが、誰でもレバーのような塊が出ると思ってました…知らないって怖い、知ることは大事」
「生理2日目でも、普通サイズのナプキンでいけるのが通常なんですか?!?!?!?!びっくりして天変地異起きた気分です笑」
「正常な経血量をもっと知らせてほしいですよね。学校でもいいし、あとは婦人科ってもっと気楽に受診していいんだよって周知してほしいです。」
「知らなかったです😭😭 昼も夜用です。昼用なんて初日と最終日しか使いません。おかげでよく貧血で立ちくらみ起こしてます。」

 なかには「私もそれでした。看護師ですが、経血量なんて話題になることも無いし、年齢かなと思い込んでいました。日勤の仕事中、パンタロンを2回履き替える程の過多月経、目眩。二人目を考えた頃、精査したら子宮筋腫10cmでした。腹腔鏡手術にて剥離(核出)し、一年後に待望の二人目も授かることができました。」と、看護師さんでも量についての認識は曖昧なようです。

 月経期の経血が140ミリリットル以上であれば「過多月経」と定義されているとのことですが、ナプキンに染み込んだ量がどのくらいかなんてわからないですよね。生理用品の「ソフィ」のホームページ(https://www.sofy.jp/)によると、

「経血量が多いかどうかの判断基準は、昼でも夜用のナプキンを使う日が月経期間中に3日以上ある、普通のナプキン1枚では1時間ももたないなど、このような場合は経血量が多いと判断しましょう。」

「また、経血にレバーのような大きな血のかたまりが混ざることも、月経過多の特徴的な症状です。以前よりも経血量が増え、月経期間も長びいているようであれば、一度婦人科で相談しましょう。」

と記載されています。

 リプ欄には、婦人科医による「いつも、問診で『夜用が1パック無くなる?』『夜用の買い置きが無いと不安?』と聞いています。300とか400を愛用は『おおっと』ですね。そのくらいになると、幸い普段は治っている人でも月経中はさすがに貧血になるので、爪が2-3mmごとに割れやすいとかがあって掴みはばっちりですぞ。」という書き込みもありました。

 過多月経による貧血は「鉄欠乏性貧血」であることが多く、爪の真ん中が凹んでスプーンのようになったり、爪が薄く割れやすくなったりするそうで、爪の症状に納得する人もいました。

 また、貧血だけでなく、さまざまな子宮の病気が原因で生理の量が多いこともあるので、病院で検査をしてもらうことも大切です。過多月経の原因として、女性ホルモンの異常、子宮筋腫、子宮腺筋症、子宮内膜ポリープ、子宮内膜増殖症、子宮頚がんや子宮体がんなどの可能性があります。

 実際にいつ受診したら良いのかという質問に対して、稲葉さんは「過多月経についてなら、生理おわった後に受診でよいですが、出血が止まらない、あまりに多い、という場合は生理が終わるのを待たずに受診して大丈夫です。過多月経があまりにひどいと、ほんまに輸血が必要なほどの貧血になってしまうので我慢しすぎずに。。」と回答しています。

 婦人科などで予約をとるときに「なんて伝えればよいのですか?」という質問に、「私は、市でやっている子宮ガン検診で予約を取り、受診時に月経の相談がある旨を受付で話しました。」というコメントもありました。

 ちなみに、筆者は子宮筋腫がありましたが、症状がないと思っていました。ですが、たしかに日中に夜用ナプキンを使用していたので、今回のツイートを知っていたらもっと早く見つかっていたかもしれません。「ほかの人は日中に夜用ナプキンを使わなくても平気なの!?」と思われた方は、婦人科を受診してみてくださいね。

◾️稲葉 可奈子さんプロフィール
産婦人科専門医・医学博士
京都大学医学部卒業、東京大学大学院にて医学博士号を取得、双子含む四児の母。産婦人科診療の傍ら、子宮頸がん予防や性教育、女性のヘルスケアなど生きていく上で必要な知識や正確な医療情報とリテラシー、育児情報などを、メディア、企業研修、SNSなどを通して発信している。
みんパピ!みんなで知ろうHPVプロジェクト 代表 / みんリプ!みんなで知ろうSRHR 共同代表/ メディカルフェムテックコンソーシアム 副代表 / フジニュースα・Yahoo!・NewsPicks公式コメンテーター

◾️「みんパピ!」(HPVワクチンや子宮頸がん予防の情報サイト) https://minpapi.jp

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース