映画館や新幹線の「座席を代わって」実は安易に譲ると危険!善意につけ込んだトラブルや犯罪の可能性も

はやかわ リュウ はやかわ リュウ

「映画館でカップルに席を譲ってくれと言われた」「新幹線や飛行機の指定席を、親子連れから代わってくれと頼まれた」

ネット上では今、予約指定した座席を譲るべきか否かが大きな論争となっている。

「席をずれるだけならなぜ代わらないのか理解できない」「心が狭い」という「譲るべき」派と、「窓際席や並びの席がいいなら、なぜ予約しておかないのか?」「自分が予約購入して楽しみにしていた席で見たいと思うことが、なぜ”心が狭い”になるのか?」という「譲らなくていい」派。

賛否両論あるが、実は安易に「席を譲る」ことには思わぬ落とし穴があるという。

大手シネコンも対応を検討中

「映画館でカップルに席を譲ってくれと頼まれたって話、いろんな人が意見を述べてる中に『わざと間に1席開けて、その席を挟んだ形で2席を取る。間の1席を誰も買わなければ2人で荷物置きに使える、誰かが買ってしまったら席交換を持ちかける、という技(手口)が流行ってる』てのがあって、びっくり」

そうツイートしたのは、さぼなすさん。コロナ禍以前はよく映画館を利用していたというさぼなすさんは、「そういう姑息な人が存在していると知り、えっ、そんな手口があるの?と驚きました」と語る。

ネット上では「譲らないなんて、カップルや子供がかわいそう」といった意見も見受けられた。だが悪意のない交換であっても、そのチケットの規約に座席の変更が禁止されていた場合は規約違反となる。

大手シネコン側も事態を把握しており、現在、対応を検討中だという。

劇場や映画館、コンサート会場や列車などで事故や犯罪が起きた場合、チケット購入時に入力した個人情報が手がかりとなることがある。そのため、自分が購入した座席に座った人物が、盗撮やチカン、盗難などの犯罪行為を行なった場合、予期せぬトラブルに巻き込まれることもあるようだ。さらに、席を交換した相手が「不正転売」でチケットを購入していた場合、こちら側も「チケット不正転売禁止法」の罪に問われる可能性がある。

「知らないうちに犯罪の片棒を担がされたり、チケットの規約違反になるという話も見かけました。『席を譲る』という行為が、単に善意や思いやりだけの問題じゃないと知り、安易に譲らないように、くれぐれも気をつけて欲しいと思います」(さぼなすさん)

善意につけ込んだ「犯罪」に注意

映画館で働いていた人からは、「お客様同士で座席を勝手に変更したり、空いてる席に移るのはトラブルやクレームの原因になる。指定席の意味を考えて欲しい」という声もあがっていた。やむを得ない事情がある場合は、客同士のトラブルにならないよう、映画館や劇場のスタッフに相談してみるのが賢明だ。

通常、事前のオンライン予約時はもちろん、当日券も映画館やみどりの窓口などに設置された自動発券機の画面から、利用者は希望の「座席」を選び、チケットを購入する。希望の座席や並びの席が取れなければ、別の日時や上映回を選ぶという選択肢もある。

多くの選択肢があるにも関わらず、善意につけ込み「席を譲って」と持ちかける人物には、なんらかの意図があると考えてみるべきかもしれない。

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