【運賃値上げ】電車やバス、いくらなら許容できる? 2割値上げされると…「別の移動手段を選ぶ人」が「継続利用」を上回る

まいどなニュース情報部 まいどなニュース情報部

新型コロナウイルス感染症が流行したこの3年では生活者が外出を控えた期間もあり、交通機関の利用に変化が起こっています。また、交通機関側もそれらに対応し、運行時間の変更や料金の値上げなどが相次いでいます。このような動きを生活者はどのようにとらえ、交通機関を利用しているのでしょうか。

全国の16~79歳の男女2656人に調査をしたところ、コロナ禍前と比べてこの3年の公共交通機関の利用は減少傾向であることが分かりました。また、利用する公共交通手段が値上げした場合、値上げ幅が大きくなるにつれて継続利用は減少し「自家用車や自転車、徒歩等で移動」「移動することをあきらめる・減らす」と回答する人が増加しました。20%の値上げになる「別の移動手段を選ぶ」人が「継続利用」を上回ったといいます。

CCCMKホールディングス株式会社(東京都渋谷区)が運営する『CCCマーケティング総合研究所』が2023年9月に行った「交通機関の利用に関する調査」です。T会員を対象にインターネット調査を実施しました。

新型コロナウイルス感染症が流行し始めた2020年2月以降の「公共交通機関の利用頻度」について聞いたところ、最も多かった回答は、鉄道・軌道(路面電車)、バス、タクシーのいずれも「利用頻度は前と変わらない」(鉄道33.3%・バス26.4%・タクシー16.7%)だったものの、いずれの交通機関も「利用することが増えた」(鉄道6.2%・バス4.5%・タクシー3.3%)と答えた人よりも、「利用することが減った」(鉄道23.3%・バス16.6%・タクシー9.4%)と答えた人のほうが多くなっていました。

「公共交通機関の利用が減った理由」は、いずれの交通機関も「外出を控えたため」(鉄道45.1%・バス40.0%・タクシー37.9%)が最も多くなっています。これを交通機関別でみると、鉄道では「買い物や遊びなどの機会が減ったため」「在宅勤務やオンラインでの授業など通勤通学スタイルが変わったため」、バスでは「自家用車やバイクの利用に切り替えたため」、タクシーでは「交通費を節約するため」といった項目に回答が集まりました。

なお2023年3月には首都圏、4月には関西の鉄道の多くが運賃値上げを行うなど、公共交通機関の運賃改定が相次いでいます。利用する公共交通機関の運賃が値上げされた場合の対応を聞いたところ、「継続して利用する」と答えた割合は、値上げ幅が5%の場合では77.5%、10%では59.6%、20%では34.9%、50%では22.7%という結果になりました。

特に20%の値上げになった場合では、「自家用車や自転車、徒歩での自力移動」(31.2%)と「ほかの公共交通機関を利用」(14.4%)と合わせると45.7%となったほか、50%の値上げの場合では、「移動することをあきらめる・減らす」が32.7%となり、いずれも「継続利用」を上回りました。値上げ幅が大きくなるにつれて継続利用は減少し、自家用車や自転車、徒歩等に移動手段を変更したり、移動自体をあきらめる人が増加する傾向が見てとれたそうです。

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