「校内移動袋を3つ用意」「それぞれにハサミとのりを用意」←そんなの1つあれば十分じゃない!? 小学校の“謎ルール”に納得できない

わたなべ こうめ わたなべ こうめ

子どもが小学校に入学すると、お知らせの量に驚くのではないでしょうか。とくに、持ち物の連絡に「もっと早く言って!」「これって絶対必要?」と、モヤモヤした話をよく聞くものです。学校によっては、似たようなアイテムをいくつも用意しなければならない場合も。小学生の娘がいるN子さんも、学校から準備するように指示された持ち物について、大きな疑問を感じていました。

小学校で移動袋を3つも用意することに

N子さん(神奈川県在住、30代、パート)の娘(8歳)は、小学3年生になりました。3年生になると理科と社会が教科として加わり、持ち物も多くなります。仕方がないことですが必要なアイテムが増えて、N子さんは少し負担に感じていました。

とくに、学校から移動袋を3つ求められたときは、思わずうんざりしてしまいました。3年生から理科室、図工室、音楽室で授業することになり、移動のための袋をそれぞれ別に用意しなければなりません。しかも、それぞれの移動袋に「ハサミとのり」を入れるように指示されたのです。「え?袋だけではなくて、ハサミとのりも3つ買えってこと?」と、N子さんは驚いてしまいました。

他の小学校に行った友人に話を聞くと…

「移動するときにハサミとのりを入れ替えればいいのに…」と思いつつ、学校からの指示通りに準備するN子さん。正直3つも用意するのは無駄だと感じてしまいます。「他の小学校も同じなのかな?」と気になったN子さんは、幼稚園から付き合いがあるグループにLINEを送りました。別の小学校に通っている友人の話を聞きたかったのです。

すると、次々に返信がきました。移動袋は他の小学校も用意が必要ですが、提示された数はバラバラです。また、他の小学校はハサミとのりは1つずつで大丈夫とのこと。小学校によっては、ハサミは普段先生が管理して、必要なときに配布するようです。

学校にあるご意見箱への投書を真剣に考える

「移動袋、ハサミ、のりを3つ用意する」という話を聞いたときの反応は、N子さんと同じでした。「1個あれば十分だよ」と言う友人に、自分の感覚は常識的だとホッとするN子さん。結局、学校からの指示通りに用意しましたが納得はできません。

安易に持ち物が増えると、子どもたちも大変です。始業式には大量の荷物を持っていき、終業式に引きずりながら持って帰ってくる娘を見ると、学校にあるご意見箱への投書を真剣に考えてしまいます。しかし「モンスターペアレントだと思われるかも…」という不安もあり、なかなか実行に移せません。

学校に意見を伝えたいときはどのような対応がベスト?

今回の件は、娘本人はとくに不便さを感じていない様子。しかし、今後学校のルールによって娘が困ることが起きる可能性はゼロではありません。学校との話し合いが必要になったらどうすれば良いのかわからず、N子さんは考え込んでしまいました。

皆さんの意見はどうなのでしょうか。

▽小5・保護者
各教科ごとに指示があることでも、中身については各家庭で子どもに臨機応変に対応させるべきだと思う。忙しい先生に保護者がとやかく口を出すべきではないのでは。

▽小3・保護者
学校に意見するときは、緊急なら電話、明日でよければ連絡帳、急ぎでないなら個人面談で話す。言ったことないけど担任への苦情なら教頭に直接言う。

▽小4・保護者
自分の子どもがいじめられたりしていたらもちろん学校に言いますが、子どもが特に困っていないルールなどのときは、何も言わないようにしています。1つ1つ気にしていたらきりがないので。

学校に意見を伝える時のポイント

今後、学校のルールに不服があったり、改善案を伝えたりしたい場合、どのような対応がベストなのでしょうか。専門家の意見を聞いてみました。

「学校あるあるトラブル18 保護者のお悩み解決します!」(東洋館出版社)の著者であり、保護者と学校問題に詳しい株式会社マモル代表のくまゆうこさんに聞いてみました。

   ◇   ◇

ーー学校に意見を伝える際に、保護者が気をつけることはありますか?

「まずは、学校と保護者とのコミュニケーションを円滑に行うことが重要です。例えば、保護者が先生や校長に対して不満や要望を伝える場合、直接的な非難や攻撃的な態度をとるのは避けるべきです。相手を批判するのではなく、話を聞いてもらえるように敬意を持って接することが肝要です。

ーー学校側への要望の内容について、伝える際のポイントはありますか?

「保護者が伝える意見は、具体的かつ明確に述べることが大切です。例えば、『学校での集団登校に懸念がある』という主張をする場合、『なぜそのような懸念があるのか』や、『どのような改善策を望むのか』など、具体的な内容を明確に示すことで、学校側が理解しやすくなります。

さらに、保護者が意見を伝える際には、自分自身が求めることをはっきりさせることも大切です。例えば、『子ども達が学ぶ環境をもっと良くして欲しい』『子供の成績向上のために、教育方法やカリキュラムの改善を望む』など、要望をはっきりさせることで、双方がより効果的にコミュニケーションを図ることができます」

ーー学校に意見を伝えたいと思っている保護者の方に、アドバイスはありますか。

「なにより、保護者が学校に意見を伝える場合は、冷静かつ明確に伝えることが重要です。例えば、怒りや感情的な思考に支配され、理論的な根拠が乏しい主張をするのは避けるべきです。

意見を伝える手段として、面談や書面などの適切な方法を選択するのも良いでしょう。保護者としての自覚とマナーを持って、学校とのコミュニケーションを取ることが大切です」

   ◇   ◇

必ず改善されるかはともかく、要望は伝えなければ届きません。まずは要件を冷静にまとめてみましょう。感情的にならずに伝えれば、学校側も「保護者の貴重な意見」として受け取ってくれるでしょう。

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