最近は転職を希望する人が増えてきていますが、転職をしないで「現職に留まるべき人」はどれほどいるのでしょうか。人材紹介サービス『ミドルの転職』を運営するエン・ジャパン株式会社(東京都新宿区)が、同サービスを利用する転職コンサルタント126人に「転職すべき人・現職に留まるべき人」について調査を実施しところ、半数以上の人が「面談した3人に1人は現職に留まるべき人だと思う」と回答しました。
調査は2023年3月にインターネットで実施されました。
まず、「面談を行なった人のうち、転職せずに現職に留まるべきと思う人の割合」を聞いたところ、「3割以上」(54%)が最多となり、2019年の調査時と比べると、4pt増加していました。
また、「現職に留まるべきと思う理由」としては、「本人の希望と、転職市場での市場価値にギャップがある」(75%)、「現職企業の待遇が良く、現職以上の待遇での転職が難しい」(52%)、「キャリアアップできない理由を会社にあると思っている」(43%)などが上位に挙げられています。
一方で、「転職すべきと思う理由」については、「今後やりたいことと、転職理由に整合性がある」(69%)、「現職企業では、本人の希望が絶対に叶わない」(59%)、「現職企業に将来性がない」(54%)などが上位に並びました。
続いて、「転職を成功された人のうち、どのような希望を叶えられた人が多いですか」と聞いたところ、最も多かった回答は「年収のアップ」(69%)でした。次いで、「仕事を通じての成長」(50%)、「残業時間の短縮」(38%)が続いています。
最後に、「自身で転職の是非を見極めるためにしておくと良いと思うこと」を教えてもらったところ、「解決したい課題を整理し、解決方法を検討する」(67%)、「キャリアの棚卸しを行ない、キャリアプランを見直す」(63%)、「コンサルタントにキャリア相談を持ちかける」(47%)といった回答が挙げられました。
回答者からは、「ポジティブな転職をすべきだと思います。ネガティブな気持ちでの転職活動はプラスを呼び込まないし、いい結果に結びつきません」「転職活動を通して、転職するか否か、するとしたらどこがよいか、走りながら考えた方が情報精度は高まる」「今の会社への不満からの転職というよりも、自身のキャリアプランに沿った前向きな転職となるよう、冷静に状況を見定める」「なぜ転職に対して悩んでいるのか、転職したとき、しないときのメリット/デメリットや現職に残った場合、転職した場合の10年後の自分を想像し書き出してみる」「なるべく多くの人材コンサルタントに相談したほうがいい」といったアドバイスが寄せられたそうです。