近年、急速に普及したVIO脱毛。脱毛サロン、脱毛クリニックの広告などには、将来介護を受ける時を見越した “介護脱毛”の必要性を説くものも見られるようになったが、いまSNS上ではそんな風潮に疑問を投げかける声が大きな注目を集めている。
「老後の為にVIO脱毛したい(介護者に迷惑かけたくない)ってツイート最近よく見かけるんやけど、私、介護職員やってた時、利用者さんの下の毛で苦労したこと全く無いねんな。高齢になると薄くなるし。綺麗に拭いて終わりよ。」と自身の体験談を紹介したのは元介護職員のせみまるこさん(@semimaruko)。
たしかに男女問わず、高齢になるとアンダーヘアは薄くなるもの。まったく抜け落ちてしまう人も珍しくない。わざわざ若いうちにVIO脱毛することが、将来の介護にいかほどの影響をもたらすというのか…。
せみまるこさんの投稿に対し、SNSユーザー達からは
「わかります。あとは本当は脱毛してみたいけど自分の為に、って言うのが恥ずかしかったり気後れする人が半分口実として使ってるのもあると思う!」
「脱毛サロンの勧誘で毎回すすめられていました。勧誘しつこくしません、てドア開けるたび違う店員から1回ずつ勧誘されたらしつっこいですよね」
「女性はまずないですよね…気をつけよーって言ってるのほぼ女性やから大丈夫やで!と言いたいです」
などさまざまな声が寄せられている。
投稿者さんに聞いた
せみまるこさんに話を聞いた。
ーー介護に携わっていた頃、利用者のアンダーヘアについてどのように捉えておられましたか?
せみまるこ:私は、認知症の方専用のグループホーム勤務だったのですが、男女の割合半々位で、年齢は70歳~90歳の方までいらっしゃいました。それぐらいのお年の方のアンダーヘアは薄くなっていることが多く、介護の妨げになるという考えはありませんでした。介護の資格を取る時に、在宅ヘルパーの研修に行ったのですか、そこは30代~40代の利用者さんで、難病で寝たきりの男性もおられましたが、その時も毛があっても全然気にはならなかったです。
ーー反響へのご感想をお聞かせください。
せみまるこ:私生活で忙しく早々にミュートしてしまっていたのですが、こんなに色んな方に見ていただいてたんだと驚きました。リプ欄を読ませていただき、同じ介護職でも配属される先で、介護脱毛が必要だと感じている方もいらっしゃることを知り大変勉強になりました。介護の現場は慢性的に人手不足になっているところが多く、そういう場合はアンダーヘアが作業の妨げになることがあるかもしれないと思いました。また、金銭的に無理をしてでも介護脱毛をやらないといけないと精神的に追い詰められてる方もいることも知りました。ケースバイケースなものなので一概にこうとは言えませんが、私の投稿が考えていただけるきっかけになっていたら嬉しいです。
◇ ◇
VIO脱毛は本人の趣味嗜好、意思決定によりなされるべきものであって、介護を受ける人が必ずしもアンダーヘアを無くす必要はない。脱毛業者の過度な宣伝文句にまどわされないようにしたいものだ。
なお、今回の話題を提供してくれたせみまるこさんは発達障害の当事者で、かつ発達障害を持つ子供2人を育てるシングルマザーとして奮闘中。ユーモアと愛情、そしてオタク精神あふれる投稿は多くのSNSユーザーに支持されているので、ご興味ある方はぜひチェック&フォローしていただきたい。
せみまるこさん関連情報
Twitterアカウント:https://twitter.com/semimaruko