IT分野専攻の大学等卒業者に占める女性の割合は37カ国で最下位―。そんな調査結果が、総合人材サービス会社のヒューマンリソシア株式会社(東京都新宿区)が実施した「IT分野におけるジェンダーギャップに関するグローバル調査」をもとにした「データで見る世界のITエンジニアレポートvol.8」で分かりました。また、情報通信業(情報通信業で働いている人でエンジニア以外の職種も含む)で働く女性の割合が、日本は47カ国中30番目という結果になっていたそうです。
まず、「情報通信学専攻の大学卒業者において女性の占める割合」を、データが取得できた37カ国にて調査したところ、「スウェーデン」(39.2%)、「ギリシャ」(33.0%)、「エストニア」(32.1%)がTOP3を占める結果に。ちなみに、「スウェーデン」は就業者におけるIT技術者の比率においても世界1位、「エストニア」は同6位となっています。
一方、「日本」(9.2%)で最下位。なお、「韓国」(27.9%)は6位、「米国」(22.4%)は13位で、37カ国中、10%を割ったのは日本のみという結果となりました。
また、「STEM(科学・技術・工学・数学)関連分野を専攻した大学卒業者における女性の割合」についても同様に37カ国にて調査したところ、「ポーランド」(70.4%)、「エストニア」(69.4%)、「スロバキア」(67.0%)が上位となりました。なお、37カ国のうち、28カ国は女性の割合が5割を超えている一方で、「日本」(29.0%)は、情報通信学と同じく37カ国中最下位となり、女性の割合が極めて低い結果となっています。
続いて、「情報通信業で就業している女性」の割合を、データが取得できた47の国・地域別でみたところ、最も高かったのは「台湾」(41.8%)、「マレーシア」(40.4%)、「ベラルーシ」(38.2%)が上位を占める結果となりました。
10位以内には、「フィリピン」(36.8%)、「タイ」(34.9%)など、アジアから4カ国が入っていた一方で、「日本」(28.9%)は、47カ国中30位となり、IT関連分野で学ぶ女性が非常に少ない結果から、情報通信業で働く女性の比率が低くなっていることが分かりました。
最後に、「情報通信業就業者における男女間の賃金格差(女性の賃金平均÷男性の平均賃金で算出)」について、データを取得できた41の国・地域別で調査したところ、「パキスタン」(111.5%)、「エジプト」(107.3%)、「フィリピン」(102.6%)の3カ国では、男性より女性の賃金の方が高い結果となりました。
なお、「日本」(80.5%)は20位で16位の「米国」(83.6%)を下回ってはいるものの、21位の「フランス」、24位の「イギリス」、29位の「韓国」を上回る結果になりました。
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調査を実施した同社は「DX推進に向けIT人材確保が課題となっている日本においても、リスキリングやITエンジニアという職業の魅力を高めるなどにより、女性を含めた多様な人材が活躍できる環境整備が重要となると考えます」と述べています。