気温や湿度が下がる冬は肌の乾燥、赤み、粉吹きといったトラブルに悩む人が多い。1年を通して「美肌」を保つために、肌の手入れで注意すると良い点は何か。冬の「肌トラブル」の特徴や原因、お薦めの手入れ方法を聞いた。
エステサロンPURLY(出雲市大津朝倉1丁目)代表で、肌トラブルの解決や美肌づくりをサポートする「美肌ソムリエ」の資格を持つ原久子さんに話を聞いた。
湿度が下がり乾燥する冬は、肌の乾燥や赤みといったトラブルが起きやすい。暖房が効いた室内はより空気が乾燥し、肌の乾燥につながる。原さんによると湿度が40%を下回ると肌の乾燥を感じやすく、さらに30%以下になるとカサつき、かゆみといった「肌トラブル」が起きやすくなるという。冬は気温が低いため、血行不良による肌のくすみを感じる人もいる。
空気の乾燥や冷えによる肌トラブルは、どう対処すれば良いのか。お薦めのケア方法や心がけると良い行動を聞いた。
① 基本的なスキンケアで保湿
最初のポイントは基本的なスキンケア。「洗顔後は化粧水、乳液、保湿クリームの順に塗って保湿することが基本」(原さん)。化粧水で補給した水分が蒸発しないよう乳液の油分でふたをし、クリームでさらに保湿するイメージだ。
鼻や口元といった特定の部分が乾燥する場合もある。考えられる主な原因は、マスクやティッシュによる摩擦。乾燥が気になる部分には多めに化粧水やクリームを塗り、なるべく肌をこすらないよう注意したい。
② 体の内側から水分補給
水分補給で体の内側から潤すことも大切という。冷たい飲み物は体を冷やし血行不良につながりやすいため、温かい飲み物がお薦めという。温かい飲み物といってもコーヒーや紅茶など、カフェインを含む飲み物は注意が必要とのこと。カフェインの利尿作用により水分を失いやすいためで、原さんは「ノンカフェインの温かい飲み物や、白湯がお薦め」と助言した。
③ お湯の温度に注意
スキンケアや水分補給のほかに気をつけたいのが、顔を洗う時の湯の温度。肌表面には皮脂の膜があり、内側から水分が蒸発するのを防いでいる。寒いからといって熱い湯で顔を洗うと皮脂膜が流れ落ち、肌の乾燥につながりやすいという。肌の表面温度は32~34℃のため、原さんは「洗顔時の湯の温度は32℃がベスト」と助言した。
④ ごわつき防止には「朝も洗顔」
洗顔料を使うと肌が乾燥すると感じ、朝は湯や水だけで顔を洗う人もいるかもしれない。原さんは「朝、洗顔料を使わないと皮膚の生まれ変わりがうまく進まず、くすみやごわつき(肌表面がなめらかでなく、ざらざらとした状態)につながりやすい」と注意した。
原さんによると皮膚は夜、寝ている間に生まれ変わり、朝は肌表面に古い角質がある状態という。湯や水だけでは本来取り除くべき古い角質を除去できないため、洗顔料を使って、しっかりと落とす必要がある。洗顔の後は化粧水と乳液を塗って肌を保湿する。
朝の保湿について原さんは「基本的には化粧水と乳液を塗れば良い」とした上で「乾燥が気になる場合は、さらにクリームをうすく塗ると良い」とアドバイスした。
⑤ べたつきの原因は水分不足?
鼻の頭や目元、口元は乾燥するが、おでこや鼻筋は皮脂でべたつくと悩む人もいる。原因として考えられるのは「水分と油分のバランスの乱れ」(原さん)。肌の水分量が減ると相対的に油分が多い状態になり、べたつきを感じやすい。部分的にべたつきが気になる場合は肌に水分が足りていない可能性があるという。「テカりが気になる部分に化粧水を多めに塗るのがお薦め」と助言した。
⑥ 体の乾燥対策は「こすらない」
冬は顔だけでなく、腕や足といった部分の乾燥も気になる。体全体の乾燥対策については「こすらないことがポイント」(原さん)。風呂で体を洗う時、ボディータオルやスポンジでこすると摩擦が起き、乾燥につながる。ボディーソープをネットなどで泡立て、手でなでるように洗うと摩擦を軽減できる。
風呂から上がって体を拭く時もタオルでこするように拭くのではなく、優しく抑えるように水分を拭き取ると良い。肌に少し水分が残り、しっとりしている状態でボディークリームを塗ると、水分の蒸発を防ぎやすいという。
冬の肌トラブルには化粧水や乳液、クリームを塗る以外にも、飲み物を飲む、洗顔時の湯の温度を低くする、肌をこすらないといった対策方法があると分かった。日々の生活の中でできることから心がけて「美肌」づくりを進めたい。