タモリ倶楽部の「空耳アワー」91回採用された若きレジェンド Tシャツ、耳かき、手ぬぐいが山のように…でも「売るつもりはありません」

伊藤 大介 伊藤 大介

流浪の番組「タモリ倶楽部」の名物コーナー「空耳アワー」に、91回も作品が採用された猛者がいます。相賀浩紀(@torvatu)さんは10年以上投稿し続け、賞品として贈られた手ぬぐい、耳かき、Tシャツが山のようにあります。

40年にわたって放送されたタモリ倶楽部の終了が決まり、「趣味らしい趣味が無かった私の中で一番長く続けられた趣味だと思います」と空耳投稿を振り返った相賀さんに聞きました。

10代から投稿、初採用ネタにほんこんさん出演

タモリ倶楽部は1982年10月9日より放送がスタート。タモリさんが司会を務め、鉄道や建造物、美術、風俗など多様なジャンルをマニアックに掘り下げ、中でも「空耳アワー」は「日本語以外で歌っているが、あたかも日本語のように聞こえる」楽曲を募る人気コーナーでした。

空耳ネタが採用されると、ネタの秀逸さやウケっぷりに応じて、タモリさんがTシャツや耳かき、手ぬぐいを投稿者にプレゼントしていました。

相賀浩紀さんは学生時代、授業の一環で見た空耳アワーを「おもしろいな~」と思い、軽い気持ちで空耳ネタを投稿したのが始まりだったといいます。現在30歳なので、初投稿時は10代だったことになります。

ーー空耳アワーに投稿し始めたのはいつごろですか。

「10年以上前です。初めて(番組で)採用されたのは投稿を始めてそれほど間が無かったと思います。

初めて採用されたネタはトム・ジョーンズの『恋はメキ・メキ』という曲からで『ほんこん』というネタでした。映像内にタレントのほんこんさんが出演されていたのと、初採用で耳かき評価を頂けたのが嬉しかったです。

タモリさんと安斎肇さんの反応が良かったからここまで続けられたのかもしれません」

ーー採用された空耳ネタで、特に印象深いものを教えてください。

「色々と印象に残っているネタはあるのですが、『ブルース・ブラザーズ2000』OST(オリジナルサウンドトラック)から見つけたネタ『姫 清楚だったら良かったです』が採用された時、VTRの後にタモリさんがブルース・ブラザーズ本人と会って話をしたというトークが印象に残っています」

ーー空耳ネタの通算投稿数や贈られた賞品について教えてください。

「採用数は91回で、現在手元にあるのが手ぬぐい66枚、耳かき19本、Tシャツ3枚です。手ぬぐい、耳かき、Tシャツをそれぞれ一つずつ知人にプレゼントしたので、所持しているのは本来の受賞景品数から3つ少なくなっています。

投稿数に関しては自分でもちょっと把握出来ていません」

ーーこれだけ採用されるには広範かつ深い音楽知識が必要です。音楽関係のお仕事なのでしょうか?

「音楽関係の仕事ではありません。ただ空耳アワーきっかけで、洋楽、邦楽問わず音楽に興味を持ち、色々調べたり聴いたりするようになりました。

インターネットで情報を得たり、複数のレコード店を回ったりして、気になったアーティストのCDを購入して集めています。

好きなアーティストはセルジュ・ゲンスブールですね。音楽的にも好きですし空耳も面白い作品が多いのでお気に入りです」

空耳探しは続ける

ーー40年続いたタモリ倶楽部が終わります。タモリさんにメッセージがあったら教えてください。

「料理や音楽、鉄道など様々なジャンルのテーマをマニアックな角度で取り上げる数少ない番組でしたので、終了するのは寂しいですが、仕方ないのかなと思っています。

番組放送から40年との事なので、タモリさんや関係者の方々には『40年間お疲れ様でした』と『ありがとうございました』という気持ちがあります」

ーー今後、空耳ネタを考える活動はどうなりますか。

「空耳探しは趣味としてこれからも続けていきます」

   ◇  ◇

40年続いた長寿番組の空耳レジェンドは意外にも30歳と若く、インターネットも生かして情報を集めた青年でした。

賞品のTシャツはメルカリで4万円前後、耳かきも1万円前後と高額で取引されていますが、「さすがに売ろうという考えには至らないです。恐らく開封せずに保管する形になると思います」と相賀さん。相賀さんのTwitterでは採用された91回分の空見ネタも投稿されています。空耳ファンはぜひチェックしてみてください。

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