買ってないのに「返金して」!? 迷惑客を撃退したケーキ店の注意喚起に「謝罪させることで鬱憤を晴らすタイプも」「心がすり減る」と同情の声

宮前 晶子 宮前 晶子

スシローなどの回転寿司店や飲食店を利用する一部の客のモラルの低さが次々と明るみに。が、問題が発生するのは外食産業には限らない模様です。「購入したケーキに異物混入していた」との連絡があった関西のスイーツショップの個人オーナーAさんが、「同業者やお持ち帰りの飲食業の方々に知ってもらいたい」とSNSで警鐘を鳴らしました。

対面謝罪なしで返金だけ要求、現物確認を求めると…

ことの発端は、約2週間前。Aさんのもとに、異物混入を訴える電話がありました。「購入したケーキに異物が入っていた。けしからん」と電話口で話す男性に対し、Aさんは謝罪するとともに、「電話ではなく、直接謝罪に伺います」と申し出ましたが、「忙しいから、来てもらう必要はない。返金だけ振り込んで欲しい」と直接謝罪を拒絶。

返金先を一方的に告げたそうです。電話でのやり取りから、「ややこしいことになりそうな印象を受けた」Aさんは、購入したケーキ分を返金。事態は収まったかのように見えました。

しかし、新たな展開が訪れます。「つい先日、明らかに同一人物だとわかる声で、同じ理由でお叱りの電話が来たのです」。おかしいと思ったAさんが、「今回は、どんな状態で異物が混入しているのか、確認させて欲しいので、現物を持ってきていただく、もしくは写真を見せていただけませんか?」と伝えたところ、急にブツッと電話を切られたそう。

このような経験は初めてでしたが、「あっ、これは、クレーム電話を入れてお金をかっさらうやり口なんだな」と思い至りました。

「同業です。過去に同じ様な事案で、2回も電話が掛かってきたことがあります」
「スーパーですが同じような人います。変なことでいちゃもんつけてきたり、異物混入してたというわりに全部食べきって返金求めてきたり。怒鳴って相手に謝罪させることで鬱憤を晴らすタイプもいる」
「年に何回かあります。基本的に現金での返金はせず、代替え品で対応。現物の確認でお話を進めます」
「業界は違いますが、同じような言い掛かりを受けたことがあります。性善説を持って、お客様とコミュニケーションを取り商売をしてる以上、誠意を持って対応させて頂きたいけど、心がすり減ります」

友人や知人を含めた同業者や飲食店経営者に、ことの顛末を伝え注意喚起を訴えると、多くの人から体験談やアドバイスが届きました。

クレームを受けた場合は誠心誠意対応していく姿勢は変わらないと話すAさんですが、今回のことを機に「現物か写真での確認、レシートの確認は必要」という気持ちを強めています。また男性の声は60代ぐらいの声で常習犯であることが伺えたことから、今後も他店舗におこなう可能性があることを示唆しています。

過去には、全国のケーキショップや菓子店1200店に対し、ケーキに髪の毛などが入っていたと嘘のクレームを入れ、逮捕に至った事例もありますが、「こういった事案のあることが広まって、同業者やお持ち帰りの飲食店での被害が減って欲しい」と話します。

ただ実際に「卵の殻が入ってたことがあった」と過去の経験についての客側のコメントがあったように、ヒューマンエラーの可能性も捨てきれません。しかし、詐欺の事例があることからも、客側としてもちゃんとレシートを保管し、店側に証拠とともに提示する方がよいでしょう。その際、店側が確認に時間をかけたとしても、詐欺などの犯罪を防ぐための対応であることを、把握・理解することが今や大事なのではないでしょうか。

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