「和菓子みたい」「名前も雅」 かわいく雅な梅の蕾の世界 魅力を伝える写真がSNSで話題

渡辺 陽 渡辺 陽

立春も過ぎ、寒いながらも春の足音は確実に近づいています。各地で梅が見頃を迎えるのは2月中旬あたりから。満開の花を愛でるのもいいものですが、梅には他にも見所があるそうです。樹木医のK.Sakuraiさん(@arborist_saku)は「そろそろ梅の季節だから、梅の蕾のかわいさを再認識すればいいと思う!」とTwitterに画像を投稿しました。

昨年2月に東京の羽根木公園で撮影したという可憐な梅の蕾。画像を見た人たちからは、

「余りに可憐なので驚きました!その次に和菓子なのかしら?と思いました。大好きな白加賀もあって感激しています」
「雅な名前ですよね!」
「白梅の可憐さ。紅梅の華やかさ。『雪に耐えて梅花麗しく』の言葉通り。春を楽しみに致しましょう」

など、国内外からたくさんの反響が寄せられ、「いいね」は4.9万件にもなりました。

なぜ梅は、蕾までこうも魅力的なのでしょうか。K.Sakuraiさんにお話を聞きました。

—羽根木公園には何種類くらいの梅があるのですか。

「約650本(紅梅約270本、白梅約380本)の梅が植えられており、品種はおよそ60種類ほどだそうです。世田谷区HPでもご覧になれます」

—なぜ蕾の画像を?

「丸く膨らんだ蕾はとても愛嬌があり、まるで和菓子のようにかわいいので、花ばかりではなく、蕾の魅力も知ってほしいと思いました。品種によって咲く時期に差異はありますが、2月は蕾と花を同時に観察できる一番オイシイ時期だと思っています」

—ガクと花の組み合わせが何通りもあるのですね。

「はい!ガクの色と花びらの色の組み合わせに注目してください!花びらの色は大きく分けると白系と紅系で、紅系は濃淡があります。ガクの色は紅色のものが多いですが、投稿した写真のように緑色の品種もまれにあります。珍しいものですと、白と紅が混じる『思いのまま』という品種や、中心部分のみ濃い紅色になる『鈴鹿の関』という品種もあります」

—香りはいかがでしょうか。

「品種によって濃淡があります。鼻がよい方は香りの違いも分かるかもしれません」

—名前も趣がありますね。

「名前は、梅の育種家の方々が、それぞれご自身で作出した品種に愛情を込めてつけられていると思います。傾向としては、花の特徴がそのまま品種名に表れているものが多いです」

—他にも魅力はありますか。

「マニアック視点ですが、花の裏側も魅力的です。開ききった花を裏から見ると、ガクが星形に広がっていることが分かります。ガクは花を支える組織でありながら、ガク自身もかわいいので、ぜひ観察してみてください」

—おすすめの梅林を教えてください。

「私の一番のオススメは、やはり羽根木公園です。梅ひとつひとつに樹名板がかかっているので、名前を確認しながら愛でることができます。駅からも近く(小田急・梅が丘駅より徒歩5分)、アクセス抜群です。山からの景色も楽しみたい方は筑波山梅林がおすすめです。斜面に広がる梅に圧倒されます。筑波山地域ジオパークの大自然の中で、山を感じながら梅も観察できるので、都内の梅林とは違った楽しみ方ができます」

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