手のひらサイズのひょうたんの中で輝く青い水面が人々を魅了しています。岐阜県関市にある名もなき池、通称「モネの池」をひょうたんの中に再現したジオラマ作品。手がけたのはひょうたん作家として活動する「ひょうたんすみじろう」さんです。ご本人に話を聞きました。
幻想的な世界に2万超の「いいね」
作品「ジオラマひょうたん モネの池」は2020年1月に制作。ネットで偶然見たモネの池の美しさに感動し「手元に欲しいな」と思ったことがきっかけ。サイズは縦約20cm、横約10cm、奥行き約10cm。ひょうたんの下部をくり抜き、レジンや粘土などで池を再現し、手作りの鯉も泳ぎます。上部にはLEDライトも仕込んでおり、洞窟の中のような幻想的な世界を演出しています。
完成直後、自身のTwitterアカウント(@nagaoryuu33)で紹介すると2万を超えるいいねがつき話題になりました。今年8月、芸術家たちの間で広まったハッシュタグ「#多分私しかやってない」とともに「ひょうたんの中にモネの池を閉じ込めた」と投稿すると再度注目を浴び、「神秘的」「癒される」「すごい世界」「面白い発想」「ひやぁ繊細」「すごく素敵」「うっとり」「本当に美しい」などと拡散は今も続いています。
作品づくりより難題だったこととは?
──神秘的な池に見入ってしまいます。池は何で出来ているのでしょうか。
「池の材料は、池の水の表現に2液混合レジン、それを受ける池の部分は豆腐のパックです。そこに粘土を貼り付け、プラスチックのフェイクグリーンを加工したものを植付けて、アクリル絵の具で色を塗っています。粘土で作った鯉も入れていますね。紙をカットした睡蓮の葉っぱも水面に貼りました」
──ひょうたん作家としての活動はいつから。
「2014年にひょうたんランプを知り、自己流でランプ作製を始めました。2016年にはステンドグラス風ひょうたんランプの手法を身に付け、ひょうたんすみじろうの名を持って活動し始めました。その2年後ぐらいにジオラマひょうたんも制作し始めました」
──これまでの作品数は。
「おおよそランプ200点、ジオラマ37点ぐらいです」
──素材にひょうたんを選んだ理由は。
「庭のグリーンカーテン用にゴーヤやヘチマを育てていましたが、飽きたので代わりになる植物を調べたらひょうたんにたどり着きました。用途を調べる中で、ひょうたんランプに出会い、自分でも作りたいというところからひょうたんにこだわるようになりました。今はひょうたんありきで、そこからステンドグラス風ひょうたんランプ、ジオラマひょうたん、ひょうたんジャックランタン、スノーマンなど、多岐にわたる作品を生み出しています」
──ひょうたんの調達は。
「自宅の庭でプランター栽培をしています。ここ3年ほどは凶作で、2〜3個しか収穫出来ませんでした。今年は今のところ13個くらい…それでも少ないのですが…実っていますが、3個位は上部からしぼんできています。多分ダメですね。理想の形、サイズ感のひょうたんを手に入れるのはやはり栽培するか、ひょうたんを栽培している人と仲良くなるか、あとは、メルカリですね。ひょうたんをに入れることが、実は作品づくりよりも難しく苦労する点です。あとはひょうたんのストックを置く場所があまりないことにも苦労しています」
夢は「大好きな稲川淳二さんに」
──2020年に続き、今回も大きな反響です。
「2回ともモネの池なので、他の作品でも盛り上がって欲しいな〜というのが率直な感想ですね(笑)」
──今後は。
「現在は『ジオラマひょうたん 稲川淳二の怪談ナイト』を制作中です。稲川さんが大好きなのでプレゼントしたいなあとここ4年くらい考えていました。押し付けがましいですが、稲川さんの手に渡ったらいいなと思っています」
ひょうたんすみじろうさんはほぼ毎日、午後8時からライブ配信アプリ「17LIVE」(アカウント名「hyoutan_sumijirou」)にて作業を生配信しています。現在は「ジオラマひょうたん 稲川淳二の怪談ナイト」の制作風景を配信中(8月22日現在)。稲川淳二さんへ思いが届けばいいですね。
最新の活動や購入方法など詳細はひょうたんすみじろうさんホームページへ。