写真家・岡本なうさんが撮影した美しい「青い彼岸花」……。実はよーく見ると、半透明の”洗濯バサミ”! 実は、岡本さん、普段は洗濯バサミの美しさを世に広めるため『洗濯バサミフォトグラファー』として活動しているのです。撮影をはじめてからおよそ1年半。息をのむような「美しい洗濯ばさみ」の写真で徐々に知名度を上げていき、今回投稿したこの作品はなんと過去最多となる13万いいねを獲得。作品へのこだわりについて詳しく話を聞きました。
――過去最大数の「いいね」数を獲得した「青い彼岸花」。作品を発表したとき、「これまでにない大きな反響がくるのでは」というような自信はあったのでしょうか?
正直な話、自信は全くなかったです! ツイートした当日はこんなに多くご覧いただけるとは思っていなかったので、翌朝起きて、Twitterを開いたときにビックリしました! 「これ、僕のツイート!?」と現実が信じられずに、1度Twitterを閉じて、アプリを立ち上げ直すほどでした。
――「青い彼岸花」を美しく撮るためにこだわったことなどはありますか?
青い彼岸花だけではないのですが、洗濯バサミアート作品を撮る時は、リアリティーを大事にして撮ることを意識しています。自分ではどの洗濯バサミアート作品も、見た方が一目で洗濯バサミとわかるクオリティーだと思っているので、「これで大丈夫かな!? こっちの方が本物っぽいと思っていただけるかな!?」という気持ちで、何度も撮り直します。
――今回の野に咲く「青い彼岸花」や、崖にそびえ立つ「クリームソーダ」など美しい自然が背景となっていることが多い岡本さんの作品。撮影するロケーションへのこだわりなどはあるのでしょうか。
実は、僕が洗濯バサミを撮る場所としてこだわっているのは”自宅の庭で撮る”ということ。クリームソーダを撮った場所もそうなのですが、あの崖に見えていたのは、実はおじいちゃんが大事にしていた柿の木の切り株。今回の青い彼岸花を撮った場所は、僕が幼稚園卒業の記念に植えたさくらんぼの木のそばで、前回の紫陽花を撮った場所と同じです。もちろん、お散歩にいった先で写真を撮ったりもしますが、自宅の庭に魅力的な被写体や興味のある場所があり過ぎて、なかなか、外の遠い場所に写真を撮りにいくことができないといった感じです。
――作品は、どのように思いつくことが多いのでしょうか?
基本的には、何かないかなぁーと漠然と考えているのですが、なるべく季節感に合ったものを制作するようにしております。また、フォロワー様からこたえられそうなリクエストをいただいた時は、お約束はしないですが、頭の隅にそっと記憶しておきます。すると、ふとした時に自分も作りたいと思うようになってくるのか、「〜〜さんが見たいと言っていたモノが出来そう、喜んでもらえるかな」というように、作品イメージが頭の中に浮かぶ事も多いです。
――「青い彼岸花」の他にも、岡本さんお気に入りの作品はございますか?
常にお気に入りのものを発表しているので、どれというのは難しいのですが、これからの季節をふまえると、夕焼けと洗濯バサミハンガーを組み合わせた「夕焼けシャンデリア」の作品が好きですね。洗濯バサミフォトを撮るきっかけとなった”西日を浴びた洗濯バサミ”が、「洗濯バサミは美しい」という言葉と共に想起されるイメージに近い作品なので、お気に入りです。
――『洗濯バサミフォトグラファー』の活動を初めてからおよそ1年半。始めたばかりの頃と以前より広く認知されるようになった現在を比べ、変化した気持ちなどはございますか?
基本的には何も変わっていないとは思うのですが、やっぱり撮り始めた頃は「洗濯バサミは美しい」と言っていても「どういうこと?」という感じの反応多かったのですが、最近は、共感の声をいただけることが増えたので、それはものすごく驚いていることですし、大変うれしいことですね。
――『洗濯バサミフォトグラファー』として活躍する岡本さん。現在の目標、最終目標は?
現在の目標というのはないのですが、”やりたいこと”はあります。それは、「洗濯バサミフォトをもっとたくさん撮る」こと。とにかく毎日、同じ構図・同じ色の洗濯バサミでもいいので、長い時間撮れたらうれしいなぁーと思っています。また、最終目標も似たようなことになってしまうのですが、これから先もずっと洗濯バサミフォトを撮って発表し、「洗濯バサミは美しい」という言葉と共にある頭の中の1枚にいつかたどり着けたらいいなあ、と思っています。また、洗濯バサミアートを制作する上で、いろんな色の洗濯バサミがあったらいいのに、と思っているので、例えば、3Dプリンターなどで簡単に36色の洗濯バサミが作れるようになるのも目標ですね。そして1番大きい目標は、そういった「洗濯バサミフォトグラファー」としての活動で誰か1人でも楽しんでもらえたり、よろこんでもらえることだと思っています。
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秋も深まり、自然の表情も変わりつつあるこの季節。岡本さんの『洗濯バサミフォト』作品にさらなる注目が集まります。
(まいどなニュース/ラジオ関西特約・みね ほのか)