卒園・卒業のシーズンですね。式典で子どもたちの成長した姿を実感し、思わず涙してしまう保護者の方もいらっしゃることでしょう。子どもの門出を迎えた保護者たちの思いを聞いてみました。
卒園・卒業を前に思うこと
▽Nさん・32歳
正直、保育園に入れた当初は子どもに泣かれ、本当に後ろ髪を引かれる思いでした。会社にいても心配だったし、こんな思いをしてまで働く意味があるのか?と何度、自分を問いただしたかわかりません。それでも子どもの成長パワーってスゴイ。
ピーピー泣いて、私の服にすがっていた子どもも卒園の頃には友達と遊びたくて私に文句を言ったり、ちょっと習った文字を自慢げに書いてみせたり、その上ランドセルが届いたら「あーちゃん、もう小学生だからね!」と意気揚々。
振り返ってみると、子どももよく泣いていたけど私も泣きたいことばかりだった。それでも、気づけば笑っている日の方が多くなっていたんです。笑顔で卒園できる日を迎えられて、本当に嬉しい。でも久々に、卒園式では泣いちゃうかも〜。でも、うれし涙だからいいんですよね!
▽Uさん・29歳
母子家庭です。0歳時から保育園に入れました。事情があったとはいえ、離婚をし、父親の存在がない生活を与えてしまった。後悔や申し訳なさを感じるいっぽうで、自分が選んだことは正しかったのだと、常にプレッシャーをかけてきました。
まだまだ身長も小さい方のウチの子はランドセルを背負わせてみると、後ろにひっくり返りそう! でも、そんな子どもと通学路の練習に行ってみたら、ひとりでスイスイと歩いていくんです。後ろ姿を見ながら、大きくなったなぁ、本当にこれから親離れしていくのかなぁと、なんだか、これまで突っ張ってきた自分と、一緒に頑張ってくれた子どもを思い、大げさなようだけど本当に感動してしまいました。
横断歩道、ひとりで渡っただけなのに(笑)。でも、そんなことも親にとっては本当に嬉しいものなんですね。
▽Uさん・40歳
小学校に入ったらラクになる、と思っていたのけどPTAやらママ友とのお付き合い、子ども同士のトラブルで学校に呼び出されたりと、数カ月に1度は何かしらの事件勃発。
仕事と違ってホント面倒くさいと思ったけれど、いざ卒業となるとその面倒くささが懐かしいという不思議な感情が…。洋服に無頓着な息子は今だって平気でキャラものTシャツ着たりしているのに、制服採寸で学ランを羽織った途端、「ああ、中学生になるんだ!」って当たり前のことなのに愕然としてしまいました。
もう本当に親離れ・子離れの時期が来たようです。夜中に、ファーストシューズを取り出して、つい深酒してしまいました(笑)。「うざいんだよ」と言い出した息子ですが、くそー、反抗期でも抱きしめたくなっちゃうんだよーーー!!!母って甘いもんですね。
こんなの…泣いちゃうじゃありませんか!
▽Hさん・32歳
「さよなら ぼくたちのようちえん」って歌、あれ、ダメです。もう曲が流れるだけで泣けてきます。当日はタオル必須だと今から覚悟しています。
▽Mさん・38歳
上の子の時もそうでしたが、卒園式前にお別れ会があって、そこでフォトムービー流すんですよね。もうここで号泣です。よくわからないけど、家には沢山子どものビデオ録画あるんですけど、なぜか写真だけのフォトムービーの方が胸に迫るんですよ〜。
しかも流れてくるのが「こころのねっこ」という局〟「いつのまにか大きくなった いつのまにか泣かなくなった」って。そりゃダメでしょ、母泣くでしょ!!!
▽Hさん・33歳
保育園で先生が手伝ったってのは重々承知。それでも、「ママありがとう」と似顔絵がついたメッセージカード貰ったら、常に鬼母の私も涙腺ウルっときちゃいました。
◇ ◇
…ちょっと番外編ですが。
▽Fさん・35歳
うちはまだ幼稚園の年中なんですが、先日親子お別れ会があってお手伝いをしました。知り合いもあまりいないし、もちろんわが子ではないのに、子どもたちが幼稚園生活を振り返る劇をして、声をあわせて堂々と歌を披露するのを見ていたら、なんだか泣けてきちゃって。他のママに「卒園する子の親でもないのに、号泣してる〜」って笑われちゃったけど、子どもが旅立とうとする姿ってそれだけでなんか心動かされるんですね。来年の本番はどうなるんだろう、バスタオル持っていこう…。
子どもたちの成長した姿に…「親だって、まだまだこれからでしょう?」
保育園・幼稚園・小学校。どんな小さな社会でも、様々なトラブルや問題があったはずです。子育てでは失敗もしたでしょうし、「あの時、あんな怒り方をしなければよかった」「仕事を優先させてばかりだったかも」…。いろいろな思いが浮かぶでしょう。
子どもは日々グングンと成長していく。そのスピードは毎日一緒にいるから忘れがちだけど、卒業という節目に改めて「ああ、こんなに大きくなって、こんなことも出来るようになっていたんだ」と思うんですね。
子どもは大きな未来を持っているからこそ、親が忘れがちな「明日への希望」を気づかせてくれる存在なのかもしれません。
親はもう背が伸びるわけでもないし、何か新しく出来るようになることも少ないように思える。日常と仕事に追われる日々に、「夢とか希望? あのねぇ、今日の夕飯を作って洗濯物して、ってそれだけで精一杯!」それが親の本音だったりします。
それでも、子どもが今、ひとつの場所から新しい社会へと巣立つ時に、一緒に未来について考えてみるチャンスです。
「大きくなったら何になりたい?」「小学校行ったら何したい?」
そして、自分にも問いかけてみませんか。
「私はこれからの10年、何をしたいの?」
親だって、まだまだこれからでしょう? 私たちにも、大きな未来が待っているんですから!