島根の「ベタ踏み坂」がインスタで脚光、海外でも人気に でも実際に撮ると…あれ? 「あの写真」をモノにしたい記者が現地で試行錯誤

山陰中央新報社 山陰中央新報社

「ベタ踏み坂」の愛称で知られ、テレビ番組や車のCMで取り上げられた江島大橋が海外でも注目を集めている。江島大橋は島根県松江市八束町江島と鳥取県境港市渡町を結び、中海に架かる巨大な橋。インスタグラムでは英語やアラビア語の文章とともに橋を映した動画が多く投稿され、中には再生回数が200万回に迫るものもある。ベタ踏み坂に再びスポットが当たった背景を調べた。

インスタグラムに投稿された江島大橋の動画は、海外の音楽らしき歌とともに、まるでジェットコースターのような急勾配の坂道を上り下りする車とその上を飛ぶ飛行機が映されている。

3月15日にアラビア語圏とみられるユーザーが投稿した動画の再生回数は190万回(4月28日時点)に上る。コメント欄にはさまざまな言語で「どうして車が上がれるの?」「これは本物?」など関心を寄せるコメントであふれた。

予想外の反響に松江観光協会の大野俊之事務局長(50)は「海外でここまで注目されているとは知らずとても驚いた。インパクトの大きいベタ踏み坂を入り口に海外の人たちに松江市全体の良さを知ってもらえればうれしい」と喜んだ。

断崖絶壁のような光景、実際は…

境港管理組合(境港市大正町)によると、江島大橋は全長1446.2m。高さは最上部で約45mの大型の橋で2004年に完成した。江島大橋ができるまでは跳ね橋の中浦水門管理橋だった。跳ね橋という性質上、船舶が通る際には車の通行が数分程度中断された。

2013年には軽自動車のCMに江島大橋が登場した。出演した人気俳優が「業界ではここをベタ踏み坂と呼ぶ」と話したことで全国に愛称が知れ渡った。20年には人気バラエティー番組「世界の果てまでイッテQ!」(日本テレビ)でお笑い芸人が自転車で橋を渡ろうとする様子が放送されて話題を呼んだ。

気になる勾配は鳥取県側が5.1%(100m進むと5m)、島根県側は6.1%で島根の方が少し急のようだ。急な坂は大型の船舶が橋の下を通れるようにするため。船の通航路になる橋脚間の距離は幅250mあり5千トン級の船舶でも通行可能だという。

やや急な坂ではあるが、もちろんジェットコースターのような急勾配ではない。斜面が急であることに加えて斜面の距離が約700mと長いため、遠方から見ると実物よりも急勾配であるように感じられる。さらにカメラの望遠レンズを使って、奥行きの感覚を圧縮することで、まさに断崖絶壁のような風景を撮ることができるのが、たびたび話題になる理由のようだ。

3カ所で撮影、映えるスポットは?

橋の人気はすさまじく、管理組合によるとCM放送後の14年、当時あった臨時駐車場に1日最大300台の車が止まった。また、放送後の3年間で全国のテレビや新聞や雑誌に100件以上取り上げられたという。

地元民でありながら、まだ橋を撮影したことがないため、この機会に「映える」橋を撮ってみたいと考えた。組合によると撮影スポットはいくつかあり、一般向けには橋近くのファミリーマート江島大橋店(松江市八束町江島)や、中海を挟んで橋の正面に位置する八束町二子付近を紹介するという。

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