社会学者・宮台真司さん襲撃犯人は「事前に綿密な準備」元刑事が推測「容疑者は早い段階で判明か」

小川 泰平 小川 泰平

  東京都八王子市の東京都立大南大沢キャンパスで29日、都立大教授の社会学者・宮台真司さん(63)が何物かに背後から首付近などを複数回切りつけられて重傷を負った事件を受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏が一夜明けた30日に現場を取材した。小川氏は当サイトの取材に対し、逃走している犯人の行動や今後の行方について解説した。

 捜査関係者によると、29日夕方、宮台さんがキャンパス内の歩道を歩いていたところ、後ろから頭を殴られた上、刃物で複数回切り付けられた。左脇や右膝なども切られ、背中に打撲の傷、両腕には抵抗した際にできる防御創が多数あった。宮台さんは「無言で切りつけられた。(男は)マスクを付けており、暗がりだったので(犯人の顔は)分からない」と説明しているという。関係者によると、宮台さんの手術には約4時間を要したが、命に別状はないという。

 警視庁捜査1課は執拗に宮台さんを襲った殺人未遂容疑で男の行方を追っている。襲撃後に逃走した男は20-30代とみられ、身長約180センチのがっちりとした体格。髪は短めで、黒っぽいジャンパーとズボン姿だったという。

 小川氏は「犯人は宮台教授を最初から狙っていた。犯行場所がキャンパスの敷地内で、犯行時間が授業と授業の間だったことを考えると、宮台教授の行動を把握し、また、把握できる人間だったのではないか。事前に凶器を用意し、準備して短時間で襲って逃走している。正面からではなく、後方からいきなり刺していることから、最初から相手が宮台さんだと認識していた。その強い殺意と同時に、綿密に現場を調べて犯行に及んだということが言える」と指摘した。

 犯人は最寄り駅とは逆方向に逃げたとみられている。小川氏は「駅周辺に行くと、防犯カメラがあると本人も分かっていたのだと思います。また、学校内で犯行に及んでいるということは、学校のことをある程度、知っている。ということは付近の地域のことも知っていても不思議ではなく、逃走用に電車ではなく、車やオートバイなど別の乗り物を用意していた可能性も考えられ、駅とは逆方向に逃走したのではないか」と推測した。

 今後について、小川氏は「警察の捜査は警視庁にあるSSBC(捜査支援分析センター)という防犯カメラの映像等からリレー式に犯人を追っていくエキスパートの集団が、ドライブレコーダーも含め防犯カメラの映像を解析しているところだと思います。あとは、宮台教授がどの程度、お話しできるか分かりませんが、これまで何かそういう(襲われる)兆候があったかどうか。容疑者は身長180センチくらいと大柄なので、学校の関係者、学校のことをよく知る人物で、そういった者がいるのかいないのか。宮台教授はとっさのことで、しかも相手はマスクをしているので顔は覚えていないと思いますが、それ以後、どこかの防犯カメラに写っている可能性もあり、また、誰か、それらしい者を知っている人もいるのではないか。容疑者が誰か分かるのは意外と早い段階になると思います」と見解を示した。

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