フード付きコートは、なぜ保育園でNG!? 母親からの切実なお願い「メーカーさん、取り外しができるものを」

宮前 晶子 宮前 晶子

「子供用ダウンを作っているメーカー…聞こえますか…聞こえますか…あなたの心に直接語りかけています…帽子つきのダウンを作るなら…取り外しができるものにしてください…保育園がNGなんです…」

そろそろ、ダウンジャケットやコートが必要な季節。保育園に通う子どものためのアウター探しで、思いがけない苦労をした母うさささん(@usasa21)の叫びは、SNSで静かな広がりを見せています。

子どもを持つ人からは、
「フード付きはドアノブにも引っかかるので家の中でも危ない」
「泣く泣くフードをバッサリ切って縫いました」などの声や、
「某子ども服ブランドデザイナーしてました。取り外しタイプにすると、販売価格が上がってしまうので、やむなく「フード付き」or「フードなし」の2択になりがちでした。でも少し値段あがってもいいから対応可の商品の方がよかったなぁと子ども持った今は思います!」というメーカーサイドの意見もありました。

子ども服のフードや紐は、事故やトラブルのもと!

保育園や幼稚園では、アウターに限らず、フード付きの服を登園時に着てくることを禁止としているケースがあります。その理由は、「フードやフードの紐が遊具やドアノブなどに引っかかる」「子ども同士で引っ張り合う」「フードの中におもちゃや食べものなどを放り込む」など事故やトラブルを招く可能性があるから。過去には、フードのひもが遊具に引っかかり、窒息し、命を落としてしまった事例もありました。

うさささんは保育園入園前の説明会で「フード付き服NG」を知り、冬服準備としてお店に探しに行きましたが、取り扱っているのはフード付きアウターばかり。5軒目にして、ようやくフードなしダウンを発見&購入したそう。

「フード付きはダメなんです、ということを、子ども服を作るメーカーさんにも知っていただきたいですし、これから保育園に通う保護者に知ってもらいたいという思いで投稿をしました」と回答を寄せてくれました。

約4.6万件ものいいねがついたことについて、共感の多さを実感したといううさささんですが、リプライから新たな事実も入手。「幼稚園保育園の話かと思っていたのですが、地域によっては小学校中学校もフードが禁止されているところもあるようで驚きました。。どこも一緒なのですね」と、改めて実感したとのことです。

うさささんの投稿に対して、元保育士は「フード付きは、本当に危険です。成長過程の子どもが集団生活する中で、プロの保育士が目を張り巡らせても、ほんの一瞬の出来事でトラブルは起きますから完全NGとしてます」と語っています。頭や首もとを温かくしてあげたい、着せたらかわいいという思いからかもしれませんが、予期せぬ事故を避けるためにもご一考ください。

◇ ◇

コメントには、「12歳以下の服を販売する場合、フードと紐は法律で禁止とかにして欲しい」の声もありましたが、経済産業省が定める子ども服の安全基準(JIS規格 JIS L4129)は任意の規格でメーカーへの強制力はないのが現状。

●フード付き・紐付き服…ドアノブや遊具への引っ掛かる、引っ張り合いによって転倒する

●ボトムスの裾の紐…電車や車、バスなどのドアに挟まれる、自転車の車輪に巻き込まれる

●ウエストや腰まわりのひも…電車や車、バスなどのドアに挟まれる、自転車の車輪に巻き込まれる、自分で紐を踏んで転倒する

上記のような危険を指摘し、子ども服を買い、着せる大人に対して注意を呼びかけています。子ども服を買うとき、着せる時はフードや紐についても十分意識してください。

■うさささんTwitter @usasa21

■子ども服の安全基準 https://www.meti.go.jp/publication/pdf/pamph_kawaii.pdf

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