出産でダメージを受けた心と体をいたわる「産後ケア」。「産後ケア入院」の経験を描いたイラストがツイッターに投稿され、大きな反響がありました。「望む人すべてこのケアを受けられる世の中になってほしい」と願う投稿者に、「産後ケア」を受けて良かったことや、入院までの流れなどについて聞きました。
投稿したのは2019年生まれの女の子、今年8月に生まれた男の子を育てる、やまだ だり(@nemure_yoiko)さん。1カ月検診で医師から「母体の消耗」を指摘されたのをきっかけに、入院したそうです。
投稿に「産後ケア」を知っていた人からは、「懐かしいな、産後ケア施設。ベテランの助産師さんが見てくれるから安心感半端ないし、不安なことがあればどんどん聞ける。カウンセリングも受けられる。短い期間だけど入れて本当よかった思い出」「私も産後ケアで救われた1人! 絶対みんな使った方がいい。希望する人みんな使える世界に早くなりますように」「私も鬱気味やったから利用しようか悩んだ。結局使わなかったけど、良い制度。確か2人目出産だと、1人目の子も一緒に連れて行けたはず。次があるなら利用しよかな。授乳の仕方とかも教えてくれるし」などの声が。
また、「知らなかった…」「産後ケア入院 したかった...........」との声とともに、「いいなぁ うちの自治体全然ダメだわ…普通に高い」「うちの自治体、産後ケアに所得制限あるんだぜ」「これうちの市は市役所に申請して許可おりないと使えなかったはず」と、利用までのハードルの高さや自治体による違いを指摘する声もありました。
9泊10日の入院で、体調だけでなく精神面にも変化
「母子保健法の一部を改正する法律」(2021年施行)では、「産後ケア」を「出産後1年を経過しない女子及び乳児の心身の状態に応じた保健指導、療養に伴う世話又は育児に関する指導、相談その他の援助」とし、 産後ケア事業を市町村の努力義務としています。だりさんはどのような状況で、どうやって「産後ケア」を受けたのか。当時の様子を聞いてみました。
――産後ケアを利用したのは、初めてのお子さんが生まれたタイミングですか。
「2人目です、上の子は母と妹に預かってもらいました」
――1ヶ月検診の時に言われた「母体の消耗」とは、どういった状況だったのですか。
「高血圧と不眠です。医者に『このままだと倒れます』と強めに指摘されました」
――「産後ケア」を利用するのに、どんな手続きをされましたか。
「産前に自治体の産後ケア利用申請だけしてあったので、1ヶ月健診後即電話して運良く次の日に入ることができました。あらかじめ利用申請していなかったら最速でも1週間以上かかったと思います」
――入院した期間はどれくらいで、どんなケアがうれしかったですか。
「9泊10日です。24時間いつでも託児OK、1日5食美味しいご飯が出てくる(おやつ、夜食あり)、助産師さんにいつでも育児の悩みを相談できる。この3つが大きかったです」
――「産後ケア」の結果、心と体にどんな良い影響がありましたか。
「血圧は下がり、夜は眠れるようになりました。骨盤の違和感もなくなりました。心に余裕ができて、上の子にも下の子にも「かわいい~!」という感情が溢れてきました。正直、施設に入る前は疲れで感情が追いついておりませんでした」
――産後ケアを受けるか悩んでいる方に、アドバイスをお願いします。
「現在妊娠中の方は産まれる前にどんな助成があるか、ご自身の自治体に問い合わせるなどして調べてみてください。面倒くさいとは思うのですが、産後はもっと腰が重くなるので産前がおすすめです! 『困窮している人じゃないと受けられないのでは……』と思わず、助成が頭をよぎった時点で助成対象だと思います! 使えるものはどんどん使いましょう!」
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イラストレーターのだりさんは幼児向けの絵本「とことことこ」「ひよこ どこどこ」や、テキスタイル、LINEスタンプ、子ども向けの雑貨を手掛けるとともに、日々の子育て中のできごとを描いたイラストをツイッターに投稿しています。
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