京都市の嵐山から京都府亀岡市を結ぶ嵯峨野トロッコ列車を運行する嵯峨野観光鉄道は、トロッコ嵯峨駅(京都市右京区)に展示する楽器や鉄道模型のジオラマを市民が利用できるサービスを始めた。新型コロナウイルス禍で乗客減が続く中、資産の有効活用を進めることで、「乗車以外に駅に来てもらうきっかけにしたい」としている。
駅の「19世紀ホール」には、蒸気機関車のほか、最高級ピアノ「ベーゼンドルファー」、パイプオルガンやチェンバロが展示されている。以前は同鉄道主催の演奏イベントで使っていたが、コロナ禍以降は中止となっていた。
7月に利用サービスを始め、ピアノは3時間5千円で、オルガンとチェンバロは2千円で演奏できる。有料で客席も用意でき、演奏会のホールとしても利用できる。
また、駅に隣接する日本最大級の鉄道ジオラマ館の「ジオラマ京都JAPAN」でも、HOゲージの鉄道模型のレンタルレイアウト(貸し線路)サービスを始めた。
ジオラマは約216平方メートルで、民家の模型のほか、金閣寺や五山の送り火などが模型で再現されている。1周23メートルのレール上で持ち込んだ鉄道模型を運転できる。
7月下旬、模型を持参した京都市上京区の会社員(51)は「近場に走らせられる施設があるのはありがたい」と話し、「京都を再現した景色を見ながら、運転できるのはここでしかできない体験だ」と笑顔だった。
ジオラマの利用料は1時間2千円。別途入館料530円が必要。問い合わせは075(871)3994。