「どれが好き?」とツイッターユーザーのほし(旅イラスト&水中写真)(@hoiruka_oekaki)さんが公開した「私鉄のターミナル類型(思いつき)」の図解が話題です。JR駅舎との関係などをもとに7つに分類したもので、SNSにはさまざまな駅情報が寄せられ、関西人ならばピンとくるエリアも。普段私鉄にお世話になっている身としては、4番の「別居型」を推させていただきます。
(1)完全同居型(2)改札は貸してね型(3)よりそい型(4)別居型(5)突入型(6)どうしても…型(7)自由型ーに7分類。この図解に反応したユーザーがそれぞれに該当する駅を列挙しながら、「自由型のカオスな感じがたまらなく好き」「別居型が好き」などとコメントするなど、約1万5千のいいねがつきました。なお(7)については、どう見ても大阪・梅田以外の何ものでもありません。
日本地図センターのホームページによると、全国には541の路線があり、沿線別の駅の数は10410になるそうです。最初の投稿後、あまりの反響に追加バージョンが制作され、新たに(6)‐b別れましょ型(8)付かず離れず型(9)T字型(10)一見さんキラー型が披露されました。みなさん、どこまで駅が好きなんだ…。
「コロナ禍前の国内旅の思い出を振り返っていたのですが、私鉄のターミナル駅っていろいろだなと思い、簡単にまとめようと思ったのがきっかけです」というほしさんに聞きました。
―最初の7分類で、自由型は梅田と明かしています。他にもモデル駅はありますか
「(1)は紀州鉄道御坊駅、(2)は近鉄吉野口駅など、(3)富山地鉄電鉄富山駅、(4)は松山駅と松山市駅、弘前駅と中央弘前駅などいくつか(5)は大阪モノレール門真市駅です。(6)はそういう事例があったといううろ覚えで明確なモデルはありません。すべて参考のため、実際とは少し変えてイラストにしてあります」
ー一番のお気に入りは
「それぞれ良さはあるのですが、私も(4)の別居型が好きですね。特に地方に行ったときは、JRの駅前にはあまり何もなくて、だんだん歩いていくと繁華街やオフィス街が出てくる、その中心に私鉄の駅、というような街の様子を観察するのが楽しいです」
ー私鉄駅とJR駅の位置関係やにぎわいなど、駅をみていると見えてくるものがあります
「まさにその点が駅の魅力の一つだと思います。街は鉄道をつくり、鉄道は街をつくる、と思ってまして、鉄道駅をとりまく街並みは発見の宝庫です。通学、お仕事、お出かけなど乗り降りするお客さんの物語を垣間見るのがターミナル駅で、その周囲の街が駅ごとに異なっているという点も面白いです」
ーさまざまな駅情報が寄せられています
「こんなに見ていただけると思ってなくて、それならもっとちゃんと作ればと(笑)。それだけ、駅や街に興味のある方が多いということだと思うとうれしいです。私が知らないことを教えてくださる方もたくさんいて感謝です」
地方の鉄道ターミナルに着くと、まず地元の人の方言に耳を傾けるというほしさんは、観光地を巡るより周辺を歩くそうです。終着駅では折り返しまで手持無沙汰な運転士さんと会話を楽しんだことも。「心に残ったターミナルは弘南鉄道の中央弘前駅です。駅名から立派な駅を想像していたら、線路が一本しかない古びた駅でした。バスかタクシーぐらいあるだろうと思っていたら乗り場もよくわからなくて、雪の中を迷いながら弘前駅まで歩きました。雪だるまみたいになったのがいい思い出です」と話します。
終着駅にはどんな風景があるのか、わくわくしながら降り立ってみる。コロナ禍が落ち着いたら、そんな予定のない旅も素敵ですね。