1957年に誕生した駅弁の代表格「峠の釜めし」。益子焼の立派な陶器が使われていることも有名で、一合サイズのこの釜でご飯を炊くのが大好きなファンも少なくありません。そんな中、空き釜を足掛け7年418回リユースしたというTwitterユーザーの「た[らん[ちょ]](@taran_cho)」さんが注目されています。アウトドア食として公開しているマイ釜めしの画像一覧は圧巻の一言。達人に聞きました。
「峠の釜めし」は信越本線の横川駅(群馬県安中市)の駅弁として生まれた歴史があります。冷えた幕の内弁当が常識だった当時、販売元の荻野屋(同)はそれを覆すのような「温かくて、家庭的なぬくもりがあり、見た目も楽しいお弁当」を実現し、全国的な知名度を集めました。なお、同社公式サイトでも「空き釜を使ったご飯の炊き方」を紹介しています。
「#おぎのや の #峠の釜めし の器を再利用して418回ごはんを炊いてきましたが、もう、無理なようです」と、底が抜けた器の画像を投稿した、た[らん[ちょ]]さん。「釜も喜んでるよ」「ここまで使ってもらえたら本望ですね」「天寿を全うされた……」と長年の使用に耐え抜いた釜をねぎらうコメントが続出。また7年418回という数字に「使った後の手入れがいいんだなあ」「頭が下がる」「群馬県人だってこんなにつかわない!」と脱帽するユーザーも。た[らん[ちょ]]さんに聞きました。
ー足掛け7年418回とはすごい数字です
「ご飯を炊こうと思ってお米と水を入れた釜を持ち上げた時に底が抜けました。割れたのは今回が初めてではなく、過去に何度かあり、その都度修復して使ってきました。修復技術も向上し、ダメージを与えない使い方をしていたつもりなので、このまま永遠に使い続けられるのではないかと思っていました」
ー別れは突然に…
「今までこういう割れ方をしたことがなかったので、もう限界なんだと感じました。ちなみに過去の割れたタイミングは全て洗っている時でした」
た[らん[ちょ]]さんによると、最初のころは器を結構いい加減に扱っており、そのせいか3回目の炊飯でひびが入ってしまったそうです。以降は丁寧に扱うよう心掛け、(1)空焚きしない(2)釜を濡らした状態で火にかけない(3)釜で米を研がない、浸漬しない(別の器で浸漬)の3点を守っていたそうです。なお、熱源はアルコールストーブで、季節と場所に合せてアルコール燃料の量を調整して基本的に放置炊飯でだそうです。
7年間連れ添った相棒について、「「7年間ありがとう」って感じです。実はもう一度だけ修復して引退炊飯をしようと思っています。友人達が「お釜お疲れ様会」を企画してくれましたので(笑)。「峠の釜めし」の器はまだ何個かありますが、荻野屋さんの売り上げに貢献するために限定品の峠の釜めしを購入しに行く予定です」と話しています。
3回目から418回目までの釜めしに画像まとめページはこちら→https://photos.google.com/share/AF1QipNflm0jt6SPyzE2xrabp_WvgqApKkYTxJba5k5or3nD-OREsHB40_JOoNGYYrRsHw?key=LXpTYmZjSkl6VGVzTkZNMG1fNVg4RE9LVHRtM3VB