買い物からの帰り道、気分が悪そうな様子のおじさんを救助して、救急車を呼んだ緊迫感あふれる一部始終を描いた人間まおさん(@ageomao)の漫画が話題を集めています。当時の状況についてお話を聞きました。
作者の人間まおさんは、灼熱のある日、押している自転車の横で静止する高齢のおじさんとすれ違います。「あれ?ちょっとまずいんでは?」と思いつつも、「うちの近所は年配の人が多く、よく近所をリハビリがてら散歩している人が多くて、結構休み休み自分のペースで歩いている人を見かけるのでどっちかなー?とわかりませんでした」。うつむき加減で歩いていたため、顔も見えなかったそう。
そのまま帰宅してもなんだか胸騒ぎがして、先ほどの道端に戻ると、座り込んだままのおじさんが。「これはいけない」とその場へ駆けつけ、水分補給を促しました。
「あっ、大丈夫です」とはいうものの、ひとりでは立てず、ぐったりとした表情で明らかに不調をきたしている状態。近所に住む母に応援要請して、「このまま家に帰ってもひとりだと話すので、救急車も呼びました」。看護師として救急外来に勤務し、急病患者を受け入れたことはある人間まおさんですが、救急車を呼ぶのは初体験。とっさのことに、「救急要請は119だった?」と気が動転したそう。
人間まおさんがおじさんを救護している様子を自宅のベランダから見ていた70歳後半くらいの女性もヤクルト1000と冷えピタを持って参上。外が暑すぎて、共倒れになっては大変なので、帰ってもらったそうですが、その後救急車が到着し、おじさんは無事搬送されました。
そんな人間まおさんたちの行動を讃えるコメントが寄せられ
「まおさんはじめ皆様の対応を学びたい」
「普通に命の恩人レベル」
などのコメントや、
「駅で体調不良になって、最終的に救急車で運ばれたのですが、搬送中に“はた迷惑なっ!”と叫ぶ罵声が聴こえて悲しかった。病院で臨死だったと言われた。もう十年以上経つけど、あの声が記憶に残っていて、時々思い出してしまい悲しくなる」
「高校時代の夏休み、登校中に熱中症っぽい症状で動けなくなっていたところ、軽トラに乗ったおじさんが私を学校まで運んでくれたことがありました。名前を聞く前に帰ってしまったので直接お礼も言えず。あのおじさんには感謝してもしきれません」と救護された人からの声もありました。
「過去の経験から躊躇も…でも異変を感じたら動いた方が良い」
その時の様子について人間まおさんは、「おじさんを最初に見てから、救急車で運ばれるまで約20分間のできごとでした」。
ただ、最初は道にしゃがみこむおじさんを見て躊躇してしまったそうで、「私は、過去に親切心から声をかけた結果、散々な目にあったことがありまして…。特急列車内の車両の連結スペースで大きな音がして様子を見に行ってみたら(あきらかに誰か倒れた音だったのに誰も行きませんでした)、ゲロまみれの酔っぱらいの女の人が倒れていて、暴れながら吐き散らしていて危うくかけられそうになったり、駅の階段で座り込んでいたおじいさんがいて声をかけたら怒鳴られたり。そんな経験から、声かけを躊躇したのですが、異変を感じたら動いたほうがいいな、と思いました」と話してくれました。
今回の漫画に多くの反響が寄せられたことについて、「沢山の人が読んでくださり、こういう場面に直面したら声をかけてみようと思いますという人が多くて嬉しかったです」と人間まおさん。
またリプライには同様の経験談も寄せられ、「先日救急車対応しました。おそらく熱中症で、顔面から倒れたようで出血。第1発見の方が大声で、誰か救急車呼んで!って叫んでも、私の前を歩いている人達はみんなそのまま素通り。私は新幹線に乗る時間が迫っていたけど、救護に加わり、その後近所の方が扇風機や保冷剤を運んでくれました。救急車が到着するまでの間、呼びかけへも反応薄くなっていたので、救急車呼んでよかったと今でも思っています」や、
「人通り多いし大丈夫かな…って意外とやってしまいがち。最初は通り過ぎてしまったんですが、別の方が駆け寄ったのを見て引き返して、私が救急車を呼んだことあります」、
「道端で倒れているおじいさんに咄嗟に声がけした経験あります。通行人はいるのに誰一人声をかけていなかったようで…あの時、そのまま放置されていたらと思うとゾッ」という声もありました。
また、救命講習を受けた人から、「人を呼ぶときは、「誰か」ではなくて、人を指名する(指差して「~色の服を着ている方!」などと呼ぶ)と良いそうです」のアドバイスや、「これが軽度の熱中症で、診察5分で終わって即帰宅だったとしても、救急車は呼んでいいと思う」
「熱中症はなめたらダメ」と人間まおさんの判断が間違っていなかったことを支持する声が届きました。
熱中症は、人間まおさんが助けたおじさんのように屋外で発症することもありますが、室内で発症することもあります。屋内ではエアコンや扇風機、屋外では日傘や帽子などを使い、のどが渇いていない状態でもこまめに水分・塩分を補給してください。自分で水を飲めない、受け答えがおかしい時は、本人が正常に判断できない可能性が高いため、ためらわずに救急車を呼びましょう!
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人間まおさんは、日々の暮らしで自身が遭遇したことや体験エピソードものなどのweb漫画を公開。ほのぼのとしたタッチながら、独特の観察眼で人間の悲哀を綴り、漫画の更新を心待ちにせずにはいられません。
人間まおさん
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