生まれたばかりの赤ちゃんの様子を見ていると、日々の成長の速さに驚かされることがあるでしょう。漫画家のいとうもちこさんは、そんな赤ちゃんの急成長の「謎」を妖怪の仕業とした漫画『妖怪 あかごがえし』をX(旧Twitter)に投稿しています。赤ちゃんにしか見えない、優しくてちょっと不思議な妖怪たちが活躍する同作は、可愛らしい絵柄とストーリーによって多くの読者の心を癒しているようです。
物語は、いとうさんが生後6カ月の赤ちゃんを床に寝かせ、娘(長女)の爪を切ってあげるところから始まります。しばらく爪切りをしたところで赤ちゃんの様子を確認しようと振り返ると、なんと仰向けで寝ていたはずがうつ伏せに変わっていたのです。まだうつ伏せができないと思っていたいとうさんは、突然の「寝返り成功」に大喜びします。
しかし、いとうさんと娘は寝返りの瞬間を見られなかったため、もう一度寝返りをしてくれることを期待して赤ちゃんを仰向けに戻してみます。いとうさんは「次は動画撮ろう!」とスマートフォンを構えて赤ちゃんの寝返りを待ってみたものの、特に寝返りをする様子を見せません。
ふたりは寝返りの瞬間撮影を諦め、長女の爪切りを再開すると赤ちゃんの横から妖怪「あかごがえし」が登場します。ヨイショと赤ちゃんを優しく転がし、何事もなかったかのように消えていきます。そして爪切りを終えたいとうさんと娘が赤ちゃんを見ると、また寝返りを成功させているのでした。赤ちゃんあるあるを可愛らしい妖怪の仕業として描いた同作について、作者のいとうもちこさんに詳しく話を聞きました。
ーこの寝返りの話は実体験でしょうか?
はい。6カ月になってもなかなか寝返りをしなかった息子の体験談が基になっています。漫画と同様、娘の爪を切って目を離した隙にうつ伏せになっていました(笑)娘も大喜びで「不思議だね〜」と盛り上がりました。
ー「赤ちゃんにしか見えない妖怪」はどのようにして生まれたのでしょうか?
以前、何かの本で「妖怪は自然災害や病気など、ある現象にキャラクターを付与したものである」 というような説を読み、「面白いなー」と思っていました。息子の寝返りを見たときに、「寝返りしているのに、その瞬間は誰も見れないのって不思議だな」と思い、妖怪にしたら面白いかもと考えました。
ちょうど数日前、水木しげる先生原作の「ゲゲゲの謎」という映画を見たこともあり、自分の中でも妖怪ブームが来ていたのもきっかけになったと思います。
ーまだ登場していないけれど「こんな妖怪もいるのかも?」と構想している妖怪がいればこっそり教えていただきたいです!
今少し考えているのは、「妖怪せなかスイッチ」や「妖怪マミーブレイン」などです。他も登場する予定なのでぜひ楽しみにしていてください。
ー最後に絵を描くうえで心がけていることがあれば教えてください。
全体的に優しく温かい雰囲気になるように、線や色味を何度も調整しています。特に子どもたちは、柔らかさやもっちり感が伝わるように心がけて描いています。
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