「ゲームはダメ!」は昭和の価値観、令和の親が取るべき行動は?日本初の「マイクラのプロ」タツナミシュウイチさんに聞きました

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子どもたちに絶大な人気を誇るゲーム「Minecraft(マインクラフト)」。略して「マイクラ」と呼ばれ、「教育版マインクラフト」は世界各国の教育現場で活用されています。

とはいえ、ゲームはゲームなんじゃないの…?やらせていいの?「子どもとゲーム」という親なら一度は悩むテーマについて、日本初のプロマインクラフター・タツナミシュウイチさんに、子育てウェブメディア「ココハレ」編集部がインタビューしました。

マインクラフトとは?ブロックを壊したり、積み上げたりして、ワールドを作るゲーム

マインクラフトは、仮想空間の世界でものづくりや冒険を楽しむゲーム。パソコンやスマホ、Nintendo Switchなどの家庭用ゲーム機でプレイできます。

仮想空間には草原や湿地、砂漠などが広がり、「ワールド」と呼ばれています。全てが3Dの立方体ブロックで構成されていて、石や土、木などのブロックを壊したり、集めたり、積み上げたりして、自分のワールドを作っていきます。

教育版マインクラフトは、マイクラを学校の授業用にカスタマイズしたもの。プログラミング教育に活用されています。

ゲームだからダメ?「昭和の価値観」払拭を

――「マイクラ」と「教育」がどうつながるのですか?

例えば、マイクラにはいろいろな物質が存在しています。水素ブロック二つと酸素ブロック一つで水ブロックが作れます。中学校の理科で学ぶ「H2O」ですね。「水ブロックの作り方」なんてマニュアルはなくて、子どもたちはいろいろなブロックを組み合わせて遊びながら、「あっ、水ができた」と気付きます。で、中学校に入って理科の授業で「H2O」を知って、「これ、マイクラでやったやつじゃん!」となるんです。

――遊びの中で知らず知らずのうちに“お勉強”もしてるんですね。親としてはとても魅力的なのですが、一方で「ゲームをやらせていいのかな」とも感じます。

ゲームだから、漫画だから、アニメだからダメというのは、まさに「昭和の価値観」です。「マイクラってしょせんゲームでしょ?」みたいな反応を親御さんがしてしまうのは、本当にもったいない。デジタルでものづくりをしていく創造力がこれからの時代には必要で、マイクラは子どもたちがやりたいことを実現させる「ツール」なのに、「ゲーム」というくくりでやらせないのは、子どもたちの可能性の芽を奪っちゃってるなと思います。

――親として、わが子の可能性は奪いたくないです…。

「エデュテインメント」と言って、今の時代には学びにつながる娯楽がたくさんあります。子どもは楽しいことが好き。かつて子どもだった私たちもそうでしたよね。「面白い」「楽しい」が「もっと知りたい」「もっと作りたい」という探究心につながります。面白くなかったら続かない。

親御さんには、お子さんの好きなものを認め、伸ばしていってあげてほしい。それは、わが子の自己肯定感を高めていくことでもあると思います。

子どもの好きなものは?したいことは?情報収集は大人の責務

――今の子どもたちが興味を持つことについて、大人が正しい知識を得ておくことが大事なんですね。

大人って1回情報を取り入れると安心して、アップデートに意識が向かないんですよね。でも、子どもの楽しい学びにつながるような情報を収集して、子どもに提示するのは大人の責務です。

親も、先生も、子どもに関わる大人たちは新しいことに対して、「知らないから」とシャットアウトするのではなく、固定概念やプライドを捨てて、知ろうとしてほしい。そして、目の前の子どもが何が好きで、何をしたいのか、しようとしているのかを、ちゃんと見てほしい。

――子育て中のお父さん、お母さんに伝えたいことは?

ICTが発達し、新しい産業がどんどん生まれています。「柔軟な思考」という点で子どもたちは大人たちよりも優れていて、その思考を形にするツールの一つがマイクラです。「マイクラってゲームでしょ?」というフィルターをぜひ払拭し、お子さんの興味、関心をどうか見守ってあげてください。

「Minecraftカップ2022全国大会」で作品を募集しています

教育版マインクラフトを使った作品の出来栄えを競う「Minecraftカップ 2022 全国大会」では作品を募集しています。テーマは「生き物と人と自然がつながる家・まち~生物多様性を守ろう~」。受け付けは9月11日まで。

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