「ブラック企業」辞められない理由ランキング 「家族を不安にさせる」「生活が困窮する」を超えた1位は?

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自分の勤め先が「ブラック企業」だと思っていても「辞めていない・辞められない理由」1位は、「転職活動が不安」だから―。労働問題などに取り組む日本労働調査組合が行った「ブラック企業に関するアンケート」で、そのような結果が明らかになりました。「生活が困窮する」という理由も2位になっており、同組合は「長時間労働により充分な転職活動時間が取れず、収入のない期間が発生することを懸念する様子が伺い知れます」と説明しています。

自身の勤務先が「ブラック企業だと思う」と回答をした全国20~49歳の会社員男女552名を対象に、9月にインターネットを通じて行われた調査です。このほど結果が公表されました。

「会社を辞めていない、辞められない理由を教えてください」という質問には、「転職活動が不安」(41.7%)、「生活が困窮する」(38.9%)という回答のほか、第3位「家族を不安にさせる」(19.9%)、第4位「同僚や関係者に迷惑が掛かる」(17.6%)といった理由が続きました。「辞めると言い出すのが怖い」(16.8%)という回答もありました。

「会社を辞めることを検討していますか?」という質問には、「はい」と68.7%が回答。年代別にみると「20代」の77.8%、「30代」の66.8%、「40代」の61.2%が退職を検討しているといい、年代が下がるほど退職意向は高くなる傾向がみられます。同組合は「20代では約8割が退職を検討していると回答していて、仮に検討者が退職をした場合、5人中4人、10人中2人しか会社に残らない計算になり、労働環境の改善がない限り、人材の流出は免れないと考えられます」とも説明しています。

また、「会社を辞めたい理由を教えてください」との質問には、「給料が安い」(37.7%)、「従業員を大切にしない」(30.6%)、「仕事量が多い」(28.2%)、「不当な人事評価」(24.3%)といった回答が上位となりました。カテゴリ別にみると、「人間関係:ハラスメント」(24.9%)、「労働時間」(21.7%)、「給与待遇」(17.3%)といった内容が上位となりました。

今回の調査結果を受けて同組合は「転職活動不安、生活困窮懸念により退職が出来ないと考えている人は非常に多く、不安から無理な労働環境を継続せざるを得ない場合、心身に影響が出て、今後安定した労働が出来なくなる可能性があります」と懸念。「雇用保険制度には、自己都合退職であっても、長時間労働の実態や病気の診断書がある場合、特定受給資格者、特定理由離職者という会社都合に相当する内容で失業保険の給付が受けられる制度があります」と述べるとともに、「同制度に該当する場合、退職に伴うお金の不安は少なからず軽減されるはずで、同制度の更なる周知活動により救われる方は多くいると考えられます。雇用保険加入登録者の登録住所宛に制度を周知する郵便を定期的に発送することはすぐ出来るはずで、将来的な労働力を確保する意味でも有効な施策ではないでしょうか」と提案しています。

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