政府が経済政策の柱の一つとして、「貯蓄から投資へ」という方針を打ち出しています。実際に資産形成を行なっている世帯はどれほどなのでしょうか。「資産形成についての意識調査」によると、年収300万円未満の世帯の約9割が資産形成に危機感を持っていると回答した一方で、実際に資産形成をしている世帯は約半数だったことが分かったそうです。
「マネーキャリア」を運営する株式会社Wizleapが2022年5月に、全国の20代~50代の男女1000人を対象に調査を行いました。
世帯年収別に「資産形成に危機感があるか」を尋ねたところ、世帯年収が「300万円未満」の86.9%の人が「危機感がある」と答え、最も高い結果となりました。また、「300万円~500万円未満」は81.8%、「500万円~700万円未満」は79.5%、「700万円~1000万円未満」は85.3%、「1000万円~1500万円未満」は75.8%の人が「危機感がある」と答えました。
一方で、世帯年収別に「資産形成をしているか」を尋ねたところ、世帯年収が「300万円未満」の人が「資産形成をしている」と答えた人は50.5%だったそうです。また、「300万円~500万円未満」は64.9%、「500万円~700万円未満」は69.2%、「700万円~1000万円未満」は77.8%、「1000万円~1500万円未満」は82.3%の人が「資産形成をしている」と答えたことが分かりました。
◇ ◇
調査を行なった同社は、「資産形成に危機感があり、お金を投資に回したい人ほど回せていないのが現状です」と分析。また、「厚生労働省が発表した『2019年 国民生活基礎調査の概況』では、日本全体の平均世帯年収が552.3万円、中央値は437万円というデータも出ており、中央値が該当する『世帯年収300万円〜500万円未満』でも実際に資産形成をしている人は約6割のため、いくら政府が『貯蓄から投資へ』を掲げていたとしても、これをきっかけに投資を始める人は少ないのではと考えます」と述べています。