多機能なウェアラブルデバイス(手首や腕、頭などに装着するコンピューター)として「スマートウォッチ」がありますが、実際はどのくらいの人が使っているのでしょうか。全国の男女1万107人(男性5688人/女性4419人)を対象に聞いたところ、約9割の人が「スマートウォッチを持っていない」と回答したそうです。
伊藤忠グループのリサーチ会社・マイボイスコム株式会社が2022年3月に実施した調査です。
はじめに、「スマートウォッチを利用していますか」と聞いたところ、86.8%の人が「持っていない」と回答しました。以下、「利用している」(9.9%)、「持っているが利用していない」(3.0%)となり、「利用している」「持っているが利用していない」を合わせると、所有者は12.9%にとどまりました。また、10~30代の男性ではそれぞれ約16%みられ、iPhone主利用者では約15%となっていたそうです。
ちなみに、スマートウォッチ利用者のうち、スマートウォッチ単体で利用することがある人は39.8%で、「スマートフォンやインターネットと接続(連携)して利用することが多い」が55.6%となっていました。
次に、スマートウォッチを利用していると回答した人に「スマートウォッチを利用したきっかけ・理由」を聞いたところ、「自分の健康状態の管理をするため」(63.0%)、「バイタルデータの自動測定・通知機能が利用できる」(35.2%)、「睡眠の質や睡眠状態が管理できる」(29.5%)、「運動や体力づくりの管理・サポート機器として利用するため」(27.3%)という結果になりました。
なお、『Apple』の主利用者では、「スマートフォンを取り出さなくてもスマートフォンの機能を利用できる」「電子決済機能が利用できる」の比率が他の層より高くなっていたそうです。
また、「スマートウォッチの利用場面」については、「ほぼずっと身に着けている」(59.9%)、「外出時」(28.8%)、「運動をする時」「歩数や距離などを知りたい時」が各2割弱でした。『シャオミ』『Fitbit』の主利用者では、「ほぼずっと身に着けている」の比率が他の層より高くなっていたといいます。
続いて、「今後、スマートウォッチを利用したいと思いますか」と聞いたところ、「利用したくない」(28.9%)、「どちらともいえない」(27.9%)、「あまり利用したくない」(17.3%)、「やや利用したい」(13.2%)、「利用したい」(11.0%)という結果となりました。
また、「利用したい」「やや利用したい」と回答した割合は、10~20代の女性でやや高くなっており、スマートウォッチ利用者では9割弱、非利用者では4割弱、非所有者では約16%、スマートフォン利用者では2~3割となっていたそうです。一方、非利用意向者は46.2%でした。スマートウォッチを利用したい理由、利用したくない理由については以下のようなコメントが寄せられたそうです。
【利用したい】
▽身体の数値を測定したいからSNSなどの確認は携帯でするので、あくまで計測器のみの機能でいい。手首は邪魔だったりかぶれるので足首などにつけられるものが欲しい(女性31歳)
▽普段スマホの着信音を消しているので、着信やラインが届くとスマートウォッチでわかるのが便利だから(女性46歳)
▽利用してから数年たつが、軽くて運動の際も気にならない。表示の文字が見やすい(女性70歳)
【利用したくない】
▽老眼の私には小さくて何も見えないと思うから(女性57歳)
▽便利だとは思うが、機械に管理されているみたいでいい気持ちがしない(女性45歳)
▽計測した数値が、専用の測定器と違っていて信用できない(男性57歳)
【どちらともいえない】
▽自分の好きなファッションにスマートウォッチが合わないから(女性30歳)
▽スマホで充分だとは思うが、散歩の時などはスマートウオッチも良いかなと思う(女性74歳)
最後に、「スマートウォッチを利用している時の重視点」を聞いたところ、「本体価格」「メーカー・ブランド」が5~6割、「操作のわかりやすさ」「バッテリーのもち時間」が各4割でした。ちなみに「デザイン・色」は女性が、「操作のわかりやすさ」「健康管理機能の充実度」は高年代層で高くなっていたそうです。