「どんなキズもまず消毒」8割、「鼻血が出たら上を向く」6割…いまだに残り続ける、応急処置の「間違った常識」

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みなさんはちょっとしたケガ、例えばすりキズを作ってしまったときはどんな処置をしていますか。全国の20~70 代の男女180人を対象に「キズの手当てに関する意識調査」を実施したところ、8割超の人が「キズができたときは消毒した方がいい」と回答しました。また、6割以上が「鼻血が出たら上を向く」と答えたそうです。調査した会社は「応急処置にまつわる間違った古い常識が残っており、正しい知識へのアップデートが必要」だと指摘しています。

ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 コンシューマーカンパニーが2022年4月に実施した調査です。

「すりキズをしたときは、消毒をすべきだと思いますか」と聞いたところ、82.2%の人が「消毒をするべき」と回答しました。また、「通常の絆創膏はキズを保護するだけのもので、キズを治す効果はないことをご存知でしたか」と聞いたところ、42.2%の人が「知らなかった」と回答したそうです。

さらに、「キズができたときの対応として、普段行いがちなものを選択してください」と聞いたところ、「消毒し肌色タイプの絆創膏を貼る」(44.4%)、「水道水でキズを洗い、湿潤療法(モイストヒーリング)タイプの絆創膏を貼る」(23.9%)、「特に何もせず、キズを乾かす」(16.1%)、「消毒しガーゼを貼る」(16.1%)と続きました。

また、「湿潤療法(モイストヒーリング)」については、「聞いたことはない」(50%)、「なんとなくどのような治療方法か知っている」(20.56%)、言葉だけ聞いたことがある(19.44%)、「具体的にどのような治療方法か知っている」(10%)という結果になりました。

   ◇   ◇

すりキズ・切りキズへの対応法について、「つながる ひろがる 子どもの救急」代表で、愛知県岡崎市にある竜美ヶ丘小児科に勤める「小児救急看護認定看護師」の野村さちいさんは、以下のように解説しています。

【すりキズ・切りキズへの対応法】

<昔>
オキシドールで消毒しヨードチンキ(マーキュロクロム液、赤チン)を塗布しガーゼを貼る。もしくは何も貼らずにキズを乾燥させ、かさぶたを作って治す。
<今>
ほとんどのキズの場合消毒は不要。水道水で傷口を洗い流し、モイストヒー リングが行える絆創膏を貼る。消毒は体液の働きを弱め、治りを遅くしてしまう。また、かさぶたは感染・化膿を引き起こす原因となることも。
<解説>
正しい知識として「消毒はせず、水道水で傷口を洗い流し、モイストヒーリングが行える絆創膏を貼る」と覚えておくのが好ましいです。肌色タイプの一般的な絆創膏は、傷の保護をするものであり、治癒するものではないため、早く治したい場合にはモイストヒーリングができる治癒タイプの絆創膏を選びましょう。なお、絆創膏を使用した湿潤療法が適しているのは、紙で指などを切るような、きれいなすりキズ、軽いやけど(皮膚があかくなっている程度で水疱のないもの)、靴ずれなど傷口のきれいな場合、感染のリスクのない傷口。ぱっくり裂けたキズ、動物などに噛まれた噛みキズ、釘などの刺しキズ、水疱ができるくらいのひどいやけど、汚染の強いキズなどは病院へ行きましょう。

   ◇   ◇

また調査では、鼻血が出たとき、どのような処置を行いがちかについても質問。「鼻をつまみ、上を向く」(61.7%)、「鼻をつまみ、下を向く」(38.3%)という結果になりました。これについても小児救急看護認定看護師の野村さちいさんによると、対処法が昔と今で異なっているといいます。

【鼻血が出たときの対処法】

<昔>
ティッシュを鼻に詰め、上を向いて頭の後ろを叩く。もしくは鼻の上の骨の硬いところを押さえる。
<今>
小鼻をつまみ座って下を向き、目と目の間のおでこを冷やすと5分程で鼻血が止まる。横になるときも顔は下向きにする。
<解説>
上を向くと、血を飲み込んでしまい気持ち悪くなったり、血が流れ込み気道をふさいでしまったりすることもあります。横になる時も顔は下に向けるようにします。

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