「貼れば貼るほど繁華街になる付箋」とは!? ありそうでなかったものを考えるクリエーターに聞いた

椎名 碧 椎名 碧

「貼れば貼るほど繁華街になる付箋考えました。勉強熱心な人ほど、素敵な繁華街に仕上がります。笑」と、Twitterに投稿したのは、いしかわかずや@アイデアクリエイター(@issikazu20)さん。

これは、ありそうでなかったオモシロ文房具ですね。

「覚えるたびに閉店してく様は涙なしには見れない」
「勉強すればするほど治安が悪化しそう…」
「企業とコラボしたらもっと面白そう!」

リプ欄には、爆笑するという人たちの声が溢れています。

この付箋を作ったいしかわかずや@アイデアクリエイターさんにお話を聞きました。

ーーこちらの繁華街になる付箋を作ろうと思ったきっかけは?

いしかわかずやさん「『繁華街になる付箋』を思いついたのは、繁華街に並んでいるたくさんの看板が純粋に付箋が本から飛び出してる様子と似ていると思ったところからでした。普段から物事を観察しているので、似ている事象同士を組み合わせてありそうでなかったアイデアを考えることを頭の中でよくやります。真面目な参考書が不真面目な仕様になっていく様子が、面白い化学反応だなと思ったことも形にしようと思ったきっかけでした」

 確かにこの発想はなかった!「真面目な参考書が不真面目になっていく様子が面白い」という感覚自体がすごくユニークですね。いい違和感を生み出しています。

ーーどんな人に使ってもらうことを意識して作られましたか?

いしかわかずやさん「受験勉強や法律の勉強などに励む方にどんどん繁華街を完成させていただきたいと思っています(笑)。真面目な人ほど不真面目な仕様がどんどん出来上がっていくというわけなので、勉強熱心な方にぜひ使っていただきたいですね。

また、地域や街によって看板の種類のバリエーションを増やし、それぞれをパッケージにしたらお土産としても需要がありそうかなと思っています。日本だけでなく、台湾や韓国などの繁華街をイメージした商品にするのも面白いと思うので、観光客が買うお土産としてもありかな」

 お土産でこの付箋が売っていたらかなり売れそうですね。その国の空気感や独自性が出た商品であればすごく面白そうです。

ーー繁華街の付箋を作るのにあたり、こだわったことや難しかったことはありますか?

いしかわかずさん「ありそうでなかったアイデアに仕上げるためには、実際にありそうな看板を作る必要がありました。繁華街にありそうな看板を調べつつ、一番イメージしやすいデザインを選びながら作成しました。また、ユーザーが貼りたいと思うためにも、実際にある看板のようなデザインを意識するように作成しました。既存の店名は使えないのでありそうでない店名というのも意識しました、といったことがこだわりですね。

また、難しかったのは、繁華街のイメージが伝わりやすいようにどの付箋をどう貼ろうかという部分に頭を使ったことです」

 確かにひとつひとつをどの部分に貼るかというバランスだけでも、かなり緻密な作業になりそうです。貼る位置によってもかなり印象が変わりそうなので、使う人によってまた違う空気の繁華街が作れそうですね。

ーーご自身がいちばん思い入れのある付箋はありますか?

いしかわかずやさん「お気に入りは4F、B1Fなどの階数まで記載したキャバクラと居酒屋の看板です。既存のものをモチーフにするアイデアは、どれほどリアリティに作れるかが肝になってくるので、細かい部分まで表現できた付箋には愛着が湧きます」

 かなり緻密な作業だとわかるくらいの細かいデザインには脱帽です。

ーーほかにもかなり斬新なアイデアグッズをたくさん作られていますが、ご自身が思い入れのあるグッズは?

いしかわかずやさん「アイデアを思いついた瞬間、いちばんテンションが上がったのは『筆跡えんぴつ』というアイデアです。できるだけみんなが使ってるもの、もしくは共感できる課題を少ない工夫で解決できたときは、アイデアを閃いたときの達成感が大きいです。

特に、えんぴつは文房具の中でも基本的な物なので、みんなが考えていそうなアイテムの中で、今までになかったありそうでないアイデアを生み出せたことは、自分の中でも自信になっています」

 いしかわかずやさんは、クリエイティブについて次のように考えると話してくれました。「普段からアイデアを考える上で大切にしていることは『既存のものを疑う』ということを意識しています。言い方を変えると『当たり前を疑う』ということです。この世のすべてのものは“完成形ではない”と思いながら、既存のものの使いづらい点や改善すべき点を考えて、少しの工夫でそれを解決するアイデアを考えるように意識しています。

『既存のものをちょっとだけ変える』ようなアプローチでアイデアを考えると、ありそうでないアイデアが生まれ、周りに驚きと共感を与えることができます。まだアイデアのストックが100個以上あるので、これからもバズるアイデアを量産していきたいと思います」

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