「金閣寺」の案内表示の左には、「見えません!」の文字と京都タワーのマスコットキャラクター「たわわちゃん」が驚いた顔のようなイラスト。京都盆地を一望できる京都タワー(京都市下京区)の展望室に貼られた注意書きです。なぜ見えないのにわざわざこんな表示を貼っているのでしょうか。その理由を運営会社に聞きました。
京都タワーは京都駅前にあるおなじみの塔です。高さ100メートルにある展望室からは、京都の多くの世界遺産や建築物、観光名所を眺めることができます。展望室のガラスには「東寺」や「知恩院」などの文字が見える方角ごとに貼られています。
高い建物が少ない京都盆地随一の京都タワー。だからといっても、距離が遠かったり木々に隠れたりして見ることができないスポットもあります。タワーから見えない場所の一つが金閣寺(京都市北区)です。
京都タワーを運営する「京阪ホテルズ&リゾーツ」(京都市)によると、「見えません!」の注意書きは金閣寺をはじめ、上賀茂神社(北区)、銀閣寺、修学院離宮、国立京都国際会館(以上、左京区)、龍安寺(右京区)の計6カ所の方角に貼られているそうです。
京都タワーの展望室では、来場者から「金閣寺はどの方角ですか」「銀閣寺はどこに見えますか」などの質問がよく寄せられるそうです。そのため、いつのころからか見えそうで見えない有名スポットに関しては「見えません!」が貼られているそうです。
京都有数の観光スポットに貼られた「見えません!」の掲示。それは、京都の「おもてなし」の精神から発揮された優しさなのか。それとも京都ならではの「いけず」なのか…。皆さんはどう思われますか?