男性にできる育児の範囲とは?
男性が育児に取り組む際の心構えがSNS上で大きな注目を集めている。
きっかけになったのはカメラマンでインタビューライターのけんわたさん(@kenwata_w)の
「子供を授かりましたって話をすると『最初のうちは男ができることないよ』って何度か先輩パパたちに言われてきたのですが、実際に育児をしていて僕にできないことは母乳の直接授乳だけだったのでその方達はできることがなかったのではなくやらなかっただけなんだと気づきました」
という投稿。
けんわたさんは今年1月に第一子を授かり、日々妻と共に育児に取り組んでいるのだという。たしかに世の中には色々と理屈をつけ、パートナーに育児を押し付けてしまう男性が多いらしい。そんな中、誠実に父親としての責務を果たそうというけんわたさんの投稿に対し、SNSユーザー達からは
「ほんとその通りで、私は産後6ヶ月から体調を崩しその後2ヶ月間の長期の入院になりました。その間、平日の仕事中のケアこそ保育士さんなどにお願いしましたが、他の子育ては全て夫がしてくれました。曰く『出来るか出来ないかじゃねぇ、やるしかねぇんだよ』精神で乗り切ったそうです」
「自分は察するというのができないので、子供ができたら旦那に何をしてほしいかリストにしてほしいと思うのですがこんな行動でも大丈夫ですかね?」
「『俺、どうすればいいのかわかんねーもん』
母親は、子供産まれた瞬間に子育てスキルが自動ダウンロードされるとでも思ってるんですかね。
母乳の直接授乳以外出来ないことはないとのご発言、とても素晴らしいです。
奥様、幸せですね!」
など数々の称賛と共感の声が寄せられている。
けんわたさんにお話を聞いた。
ーー実際に育児に臨まれるまで、けんわたさんは「男ができることはない」という言葉についてどのように思っていましたか?
けんわた:本当にできることはないのだろうかと思っていたのがその言葉を受けた時の率直な感想でした。
僕の場合妊活を始める前から妊娠・出産の本を見て勉強していたのですが、勉強した上で男性でも母乳の直接授乳以外はできるのではないかと考えていました。
ただ経験してみないと分からないと思ったので、実際に育児が始まるまではこの言葉について深く考えないようにしていました。
ーー「男にできることはない」と思いこんでしまう男性たちについてどう思われますか?
けんわた:できることは探せば山ほどありますし、むしろやらなきゃいけないことだらけですよ!って伝えたいですね(笑)。
できることはないと思い込んでしまうのは心のどこかで家事・育児は女性がするものという先入観で考えてしまっていると思います。
ただ、この考えでいると自発的に育児に対して何かしようとできないだろうし、ママの指示がないと動けなくなってしまいます。
妊娠出産の過程では圧倒的にママの負担が大きいので、むしろ男性の方が育児について勉強して、産後にママをできる限り休ませられるように動くべきだと思っています。
ーーこれまでのSNSの反響へのご感想をお聞かせください。
けんわた:ものすごく反響をいただいてびっくりしています!
同じ子育て世代の方々から共感の声をたくさんいただいて、一方でパートナーが育児をしないというママさんからのお声も多くいただいていて、それは本当に辛いと思うので、
中でもパパさんから「僕もそうだった」とコメントを多くいただけたことは同じ境遇の方に出会えてとてもうれしかったです。
一方で、パートナーがあまり育児に参加してくれていないというママさんからのお声もたくさん頂きました。産後のダメージが残る中1人で育児をするのは本当に辛いと思いますし、そんな現状を変えていきたいと感じています。
ーーけんわたさんは、奥さんの出産後に男性目線での出産レポートをnoteの「【出産レポ】29時間の出産に立ち会った夫の記録」という記事に綴っておられますね。こちらも大きな反響があったようですが。
けんわた:なぜか男性の理解が少なく、出産の大変さが軽視されているような気がしています。
僕の妻は29時間という難産で、長時間壮絶な痛みに耐えて息子を出産してくれました。その姿を見てより多くの人に出産の大変さ、尊さを知っていただけたらと思い書きました。
これから出産を控えているプレママさん、プレパパさんに届けたいです。
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積極的に育児に取り組むことは家庭の円満につながり、ひいては自身の幸福にもつながる。育児中、これから育児を控えている方はぜひ、けんわたさんの姿勢を参考にしていただきたい。
けんわたさん関連情報
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