牛乳を飲むとおなかゴロゴロ  それって「乳糖不耐症」かも?

ドクター備忘録

尾原 徹司 尾原 徹司

 牛乳はカルシウムやビタミンDが多く、骨粗鬆症やイライラ防止にも効果があるといわれています。しかし、人によっては飲むと「お腹がすぐにゴロゴロする」とか「下痢になる」とか「お腹が張る」という声が少なくありません。

 中には「少量は大丈夫で、たくさん牛乳を飲むと症状が出る」という人もいれば「子どもの頃は冷たい牛乳も飲めたのに、大人になってから症状が出るようになった」という人もいます。このような人の多くは「乳糖不耐(にゅうとうふたい)症」、あるいはその予備軍といえます。

 「乳糖不耐症」とは、牛乳などのお乳に含まれている成分である乳糖を分解する働きを持つ乳糖分解酵素(ラクターゼ)という消化酵素の分泌不足が原因で起こります。症状は消化不良をはじめ腹部不快感、腹痛、下痢などです。

 一般的には欧米人には乳糖不耐症の人が少なく、日本人をはじめアジアの人には多いといわれています。

 なぜ、欧米人に少ないかと言えば、幼い時から乳製品を多く取り入れた食生活のため、乳製品を摂り続けることで乳糖分解酵素が増えたという説があります。

 だから日本人でも幼い頃から乳製品をいっぱい食べている人は、牛乳を飲んでも平気という人が少ないないのかもしれません。

 注意したいのは食物アレルギーの一つ「牛乳アレルギー」との違いです。牛乳を飲むと腹痛や下痢などの症状が起こる点は乳糖不耐症に似ていますが「牛乳アレルギー」の場合は、蕁麻疹や呼吸困難などアレルギー独特の症状が見られます。このような「牛乳アレルギー」と疑われるような場合は素人判断せずに、医療機関で相談してください。自分のカラダを知るというのは大切です。

 乳糖不耐症であっても、牛乳が飲みたい人のために、乳糖分解済みの牛乳などが市販されています。それで試してみると、いいかもしれませんね。

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