スケボーしてたら通報された→職員室呼び出し「やる場所ないなら作れ!」→署名集めパーク誕生→そして中学生は教師になった

伊藤 大介 伊藤 大介

中学生がスケボーをしてたら通報され、職員室に呼び出されました。「やる場所がねーんだよ」といきがると、担任の教師から「ないからといってルールを破るな。ないなら作れ!」「そのためにまずは署名を集めろ」と諭されたといいます。事態はここから大きく動きます。小学校教員のエイ(@zikatu1)さんが、中学時代を振り返るツイートが反響を呼んでいます。エイさんに話を聞きました。

「ルールが嫌なら変えろ、行動するエネルギーをそっちに使え」

ーー中学時代にスケボーしていたら通報された、とのことですが、どんな場所で遊んでいたんですか?

「公園の駐車場です。中学2年の時でした。中学校の頃は、やりたいことがたくさんあり、学校や先生には迷惑をかけました。学校にトランプを持ち込んだり、気に入らない行事はサボったりと、校則や納得できないことには反抗していました」

ただ、そんな時も、担任の教師はなぜルールが大事なのか、なぜこの行事をするのかを丁寧に説いたといいます。

「そのたびに『嫌なら変えろ、行動するエネルギーをそっちに使え』と丁寧に教えてくれました。今思うと、めんどくさい中学生によくそこまで付き合ってくれたと、感謝しかありません」

当初は反発を覚えたエイさんでしたが、信頼する担任の教師から署名を集めるよう諭され、動き出します。ツイートには続きがありました。

あの頃の私たちはバカだったから、署名が何かも知らずに、A4のキャンパスノートに汚い字で依頼文を書いて、全校生に回した。部活や塾で知り合った他校の中学生にもお願いした。気づけばA4ノート8冊に1000人以上の署名が集まった。「未成年の署名など意味がない」とバカにする人もいたけど、そのノートに手紙を添えて、祈る気持ちで市長に送った。
私たちの町には今でもパークがある。

 1000人超の署名集めて市長に送り、パーク誕生

署名活動は他校にも広がり、1000人以上が賛同しました。そして、10万人規模の市を動かし、スケボーパークが誕生したといいます。

ーー全校生徒に回して、何割くらいの生徒が賛同してくれたのでしょうか?署名活動には先生の後押しがあったのでしょうか。

「全校生徒の3割〜5割くらいです。先生の協力は特になかったです。当時は交換日記や、こっそり授業中に手紙を交換するのが流行っていたので、そんな感じで協力してくれたんだと思います」

「最初は高架下を開放してくれて、そこに地元のスケボーショップも協力してパークを作ってくれました。その後、道が整備されることになり、市がスケボーパークを作ってくれました」

恩師の影響受け、小学校教員に 

ーー小学校教員のエイさんにとって、当時の経験はどのような影響を与えたでしょうか?

「教員になろうと思ったきっかけの一つです。(現在の指導への)影響はありますね。納得感のある指導と、社会とつながる体験的活動をしてあげたい。それが今の自分が大事にしていることです」

 ◇  ◇

中学生が社会を動かした一連の投稿は反響を呼び、ツイートには21万いいねが付きました。恩師からエイさんの元へ『もしかしてTwitterやってる?』とFacebookでメッセージが届いたそうです。「ツイートを読まれるのが恥ずかしかったので、『いや、してないですよ』とついウソをついてしまいました。でもたぶんバレてると思います」とのこと。教え子の成長にきっと目を細めていることでしょうね。

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース