「何してんねん」「もうええわ!」。切れのある突っ込みで観客を笑いの渦に巻き込む。お笑い芸人として活躍するまちこガールズさん(32)。普段の顔は京都府南部にある宇治市役所の職員だ。「公務員がお笑いをやっていると見方が変わる。少し得しているかも」
宇治市小倉町出身で、現在は大阪市在住の中学のまちこガールズさん。部活動で演劇を本格的に始めると、「芝居の中だといろんなキャラクターになれる」とのめり込んだ。月に何十公演も足を運ぶほどお笑いも好きで、芝居のオーディション仲間2人を誘い、2019年にトリオ「女ガールズ」を結成した。
注目を集めたのが、昨年12月に開かれた女性芸人の頂点を決める賞レース「The W」。全国から700組が挑戦する中、アマチュアながら10組だけの決勝に駒を進めた。テレビで生放送される決勝は平日で、「有給を取ります」と発言し場を沸かせた。
本番前には家族や友人、同僚から応援メッセージが寄せられた。「一生に一回やろうから、楽しまないと」。大舞台でネタを披露した4分間はあっという間だった。結果は惜しくも敗れたが、達成感から涙がこみ上げてきた。松村淳子市長も「来年は会場に応援に行くのでずっと続けて」とねぎらった。
市役所では市民課を経て、現在、歴史まちづくり推進課で看板掲出の許可を下ろす仕事を担当する。お笑い芸人や劇団員である自身の経験から、将来は「文化活動を支援する部署に行きたい」と希望する。稽古で公共施設を使うが、自治体によって空き状況の確認や予約方法はばらばら。利用者にとってより便利なシステムを整えたいという。「変わらず仕事はやりながら、趣味も楽しく続けたい」。持ち前の行動力や「お堅い役所」というイメージとのギャップを武器に、幅広い演芸の腕を磨く。