「人類は、ウイルスと共存するしかない」 求められる民度の成熟 第6波との向き合い方<後編>

「明けない夜はない」~前向きに正しくおそれましょう

豊田 真由子 豊田 真由子

医療はどうあるべきか

東京都で見てみると、1月31日に、新規感染者1万1751人、死者1人、入院患者3519人、重症患者は都の基準で26人。自宅療養者は7万1960人。病床使用率は、全体で50.7%、重症5.5%(都の基準)となっています。(なお、都と国で「重症」の基準を揃えるべき、というのは以前より申し上げている通り。)

東京都の入院患者については、今回の第6波(2022年1月)は、「85%が軽症、15%が中等症以上(酸素投与が必要)」となっており、第5波(昨年8月)の際の「30%が軽症、70%が中等症以上」と比較すると、軽症者が多くなっています。(なお、「軽症」は肺炎の所見がなく、酸素飽和度に異常が無い、ということですが、心身の自覚症状自体はかなりつらい、というお声は多いです。)

医療逼迫については、医療従事者の方々の負荷をできるだけ減らしながら、必要な医療が適時適切に提供される体制を維持構築することが必須です。これまでの反省を踏まえ、地域の医療機関間での連携を進める、状況によっては、臨時病院の設置等も検討する必要があるだろうと思います。

また、新型コロナに限らずですが、欧米と日本では、医療機関へのアクセスのよさが大きく異なり、欧米では基本的に、軽症者は入院させません。従来、入院のハードルの低さ、入院期間の長さ等において、日本は緩い傾向がある、という現状があります。

こうしたことは、我が国でも、新型コロナにおける医療の逼迫を避けるため、そしてまた、コロナに限らず、今後、限られた医療資源を有効かつ効率的に活用し、持続可能で充実した社会保障制度を維持するという観点から、政策を担当する側や、医療を提供する側だけでなく、患者さんの側も考えなければならないことだと思います。

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