家庭日用品・生活雑貨メーカー「KOKUBO」(小久保工業所、本社和歌山県海南市)は2月10日、魚肉ソーセージを立てて保存する容器「魚肉ソーセージスタンド」を発売します。実はこの商品、100円ショップ「セリア」ではすでに先行販売しており、昨年の秋ごろからTwitter上では目撃情報と共に「ニッチすぎる」「衝撃」「ピンポイントすぎる」「いや、これは欲しい」などと盛り上がりをみせていました。なぜ専用スタンドを世に出そうとしたのでしょうか。メーカー担当者に聞きました。
普通の小物入れでは代用できない?
同社はこれまでもキッチンやランドリー、お掃除用品など、暮らしに役立つ便利なグッズを多数開発。現在流通する商品は約1000アイテムに上ります。
魚肉ソーセージは「魚肉のすり身に味つけをして、棒状にしたもの」(三省堂国語辞典第7版)。おやつやおつまみ、非常食など、あらゆる世代の人に重宝され、「ギョニソ」「魚ソ」などとも呼ばれます。
今回の商品化は、商品企画のメンバーが食品売り場で「魚肉ソーセージのコーナーが百花繚乱。盛り上がっているな」と気付いたことがきっかけ。子どもから大人まで幅広いファンがいることに着目し、家庭内で目立ち、省スペース化が実現できる「立てる収納」を考案します。
「魚肉ソーセージを立てることで喜ばれそうなシチュエーションを考えました。学校から帰った子どもが見つけておやつに食べる。勉強中の夜食にできる。在宅ワークのお供に。おかずの食材がないときに『ギョニソがあった!』と気付いて料理ができる。冷蔵庫にもスッキリ収納できるーーという利点がありました」(同社担当者)
失礼ながら、商品写真を見た瞬間「既存のペン立てなどでも代用できるのでは?」という疑問が浮かびました。通常のペン立てや小物入れとは何が違うのでしょうか。
「普通の小物入れであれば中も四角いはずです。ソーセージの傾きが大きくなったり、角でがちゃがちゃします。『魚肉ソーセージスタンド』は、ギョニソの保管に適した形状の工夫があります。外形は四角くてどっしりとした形ですが、中は円筒形になっています。まるっこいギョニソがよい感じで立つように、というのが狙いです。また、重みのあるギョニソでも容器ごと倒れないようゆるやかな台形になっています。中を円筒形にしたことで重さがバランスよくかかり、倒れにくい効果もあると思います」(同社担当者)
見た目の美しさにもこだわったそうで、「円筒形であればエレガントに立てることができます。容器の内側にほどよくフィットし、立てた見た目がナチュラルビューティーな感じです。キッチンまわりが雑然としないというか、そこはかとなくおしゃれでスッキリします」と自信を見せます。
「じゃないほう」の使い方も提案
さらに、魚肉ソーセージ以外の物を立てることも提案します。「シンプルで汎用性のある容器を作れば『じゃないほう』の使い方もユーザーの方が自由に使いこなしてくれそうだと考えました」。「じゃないほう」とは、カトラリーや細長いお菓子、猫のおやつなど。使用例の写真を見ると、筒状の焼き菓子やスティックタイプのペットフードが見事にシンデレラフィットします。
KOKUBOオンラインショップと100円ショップ「セリア」で先行発売中(取り扱い状況、在庫状況は店舗によって異なります)。他の100円ショップやスーパーでの展開も進める予定だそうです。
同社では2014年、押すだけで魚肉ソーセージを波形にスライスできるグッズ「なみなみスライス」も発売しており、輪切りよりもかわいくカットでき、食卓やお弁当などが映えると評判です。こちらもKOKUBOオンラインショップや全国の100円ショップなどで販売中です。