東宝のアニメレーベル「TOHO animation」が、神戸が誇る「ミステリアス過ぎる巨大遺跡」こと五色塚古墳(神戸市垂水区)を舞台にした新たなアニメミュージックビデオプロジェクトを始動させました。全長194mにも及ぶ前方後円墳で、成り立ちにも多くの謎が残る同古墳。新進気鋭のクリエイターたちが、「地方から生まれる物語」をテーマに、アニメーションと楽曲を掛け合わせたミュージックビデオという形で発信します。
TOHO animationは東宝の自社レーベルとして2012年に設立され、「呪術廻戦」や「僕のヒーローアカデミア」「ゴジラ S.P<シンギュラポイント>」などを生み出してきました。世の中に多くの“物語”を届け続けるそんなTOHO animationが、今あらためて「目の前にある地元」の魅力や価値を見つめ直そうという思いで立ち上げたのが、本プロジェクトです。
全国の自治体との展開を予定する中、最初の共同プロジェクトの相手に選ばれたのが神戸市。神戸といえば、お洒落で異国情緒あふれる街というイメージがありますが、物語で描かれる舞台はまさかの「古墳」です。4世紀後半に築かれたとされる五色塚古墳は、海に面した全国的にも珍しい立地で、周囲を住宅に囲まれており、その「時空の歪みから突如現れた」ような異様かつ圧倒的な存在感が特徴です。
「ワンダリズム きみを呼ぶ声」と題されたアニメーションの原案・コンセプトデザインを担当するのは「しの」さん。どこか荒廃した近未来を背景とした独特の世界観と獣人化したキャラクター造形を得意とするアニメーターです。
楽曲は、神奈川県出身の4人組ピアノ・ロック・バンド「HOWL BE QUIET」が担当。ボーカル竹縄航太さんの爽やかな歌声とクオリティの高い楽曲で人気を博している彼らが、今回のプロジェクトに合わせた新曲「Wonderism(ワンダリズム)」を書き下ろしました。
それらをひとつの物語に昇華させるのが、TOHO animationで「宝石の国」「HELLO WORLD」などを手掛けてきたプロデューサーの武井克弘さん。「古墳をモチーフにアニメを作る、こんなにチャレンジングな企画もなかなかありません。日本のアニメで見られなくなって久しい、胸躍る王道冒険ムービーを目指します」とコメントしています。
物語のキーワードは「未知との遭遇」とのこと。地方から全く新しい、奇想天外な物語が生まれようとしています。
「ワンダリズム きみを呼ぶ声」は2022年3月にWeb公開予定。