東京湾に臨む開放的な環境で人気の晴海や有明、勝どきといった東京・湾岸エリア。マンションの資産価値が一目でわかるアプリ「カウル」を運営する株式会社ハウスマート(東京都中央区)が、湾岸エリアのタワーマンションを対象に、2019年12月対比2021年12月の平米単価の値上がり率および売り出し物件数(新規売り出し数+在庫数)を調べました。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、賃貸から広い部屋の分譲マンションへの住み替え需要が増加。東京都心では湾岸エリアのタワマンの売れ行きが好調です。調査の対象は、江東区豊洲、有明、東雲エリア、中央区月島、勝どき、晴海エリアにある20階建て以上のタワーマンション36棟です。
最も値上がり率が高かったのは、東京メトロ有楽町線豊洲駅直結の豊洲シエルタワー。2019年12月対比で140%値上がりしていることがわかりました。調査対象のタワーマンション36棟のうち実に35棟が値上がりしており、平米単価の平均値上がり率は118.9%でした。18カ月連続で上昇している首都圏平均値上がり率116.7%に比べ、さらに約2ポイント高い水準でした。
コロナ禍によりるテレワークの導入で出社の機会が減りましたが、今回のランキングの1位、3位、4位は駅直結または隣接するタワマンという結果となりました。さらに、豊洲、有明、月島、勝どきの各エリア内における平米単価上昇率1位も駅直結もしくは隣接のタワマンであり、あらためて利便性が重視されていることがうかがえます。
値上がりに伴い、湾岸エリアのタワマン平均平米単価は119.7万円と高騰しています。そのため、ファミリー層に人気の70平米の部屋においては8300万円を超える価格のマンションが多くなっています。カウルでは、購入後の生活を見据えると世帯年収の約6〜7倍が適正予算と考えており、世帯年収1000万円では湾岸エリアの中古マンションは購入が難しい状況になっています。