お年玉のキャッシュレス化を評価する人が増えているという調査結果がありました。お年玉本来の意味を考えてみたときに、それはどうなのかなあと思ったりします。
スマホを経由してあげることになるのでしょうが、まずその人とつながらなければならない。ちょっとした知り合いと、いちいち「お友達」になるのも大変です。
それに、お年玉というのは「元気にしてる?」とか「今年も頑張れ!」など口には出さないメッセージを込めている場合もあります。私はある時から、父や母にお年玉を渡すようにしましたが、それは「産んでくれてありがとう」というメッセージを込めています。
吉本興業のなんばグランド花月の楽屋には、その昔大先輩が決められたルールがあって、どんなお弟子さんもお年玉は一律1000円。舞台に上がっている人はもうプロですから、渡すのも失礼という事で原則お年玉はなし。私は今年還暦を迎えたのですが、いまだに毎年(西川)きよし師匠にお年玉をいただいております。それはもう縁起物だと思い、大事に保管しています(笑)
昔はいくよ・くるよさんが「モモちゃんの子どもに」とお年玉をくださり、子どもがいなかった私とアンバランスになるからと「リンゴちゃん、これ旦那さんにあげて」と(笑)
お年玉には、そういう“いいつながり”みたいなものがあると思うのです。キャッシュレスが便利で、衛生面からもいいというのもわかりますが、渡す側からすれば「ありがとう」の一言くらいはメールやラインではなく口で言ってよぉと思うのは、もう古いのでしょうか。
2、3年前からお年玉のお札が「新札」ではないという事をちょいちょい見かけるようになり、ちょっとびっくり。私たちの世代は月謝とか借りたお金を返すとき、お祝いのときなどは新札で連番というのが当たり前だったのですが…。
実は還暦を機に、来年のお正月からは年始のご挨拶を失礼させて頂きたいという葉書きを今皆様に書いているところ。これまでにいただいた年賀状は宝物としてありがたく保管させていただきまして、ちょっとひと区切り。お年玉もキャッシュレスが時代の流れ。年賀状も、これから様々に形を変えていくのでしょうね。