1円玉500枚両替で手数料400円?…キャッシュレス化の名の下に進む「有料化」にやっぱりモヤモヤ

ハイヒール・リンゴのつぶやき

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 昔ながらの商店街で衣料品店を営む店主の方が、2月から都市銀行の一部で1円玉500枚を両替すると手数料が400円もかかるようになり「商売がやっていけない」と嘆いている記事を読みました。サービスに対してチップを払う欧米諸国とは違い、日本ではサービスも水や空気などと同様、無料だと思われてきましたが、近年の相次ぐサービス有料化を見ると、時代は変わったんだと思い知ります。

 私たち芸人の間では、ずいぶん前の師匠方の頃から、年末年始に出番のない若手やお弟子さん、裏方の「進行さん」に、お年玉をあげる慣例があります。だから、私も年末にはお年玉用に大量の新札を準備。そこでいつも感じるのが、なぜ等価交換で、手数料がいるんだろうという疑問。日銀だって古いお札を回収して新札に変えているのに。五千円札などお昼過ぎには新札が切れたと言われ、何度も通うこともあり、結構大変な作業です。

 以前はお釣りに新札を用意しているお店がよくありましたが最近は少なくなったなと思います。新札に換えるのに手数料が要するとなれば当たり前ですよね。新札が良いといわれるお年玉やお祝い事でも、私たちと今の20〜30代とは意識も変わっています。私は手持ちに新札がなければ「また今度あった時に渡すね」と言って新札にこだわりますが、30代の知人は旧札のまま、いわく「どっちでも同じ千円でしょ?」。お通夜やお葬式の香典は「急なことで用意していませんでした」という気持ちを込めて旧札で、お年玉や慶事のお祝いは新札でできれば連番で−というのも、もはや必要のない配慮なのかもしれません。

 先日も、相方のモモコと、お世話になっている人へのお祝いを差し上げようとした時の事。私に時間がなく、モモコに電話で「新札を連番で用意してくれる?」と頼んだのです。それを聞いたモモコのご主人が「きょうび、だれが連番なんて言うてんの?あぁ、リンゴさん?それならしょうがないね」と(笑)。単純に私自身の気持ちの問題で、お祝いは連番以外もできればキリの良い数字で40番台は避けよう、と心掛けてきましたが、これも又、必要のない事なのですねぇ。

 冒頭の店主の方は80代。きっと、お客さんも同じぐらいの年代で、キャッシュレスなんて使えないという人の方が多いはず。でも、今は銀行によって差はあるものの、紙の通帳発行は手数料がかかるとか、一定期間取引がない場合は口座維持費を徴収するとか、キャッシュレス化という名の下で、サービスの有料化が次々と進んでいます。でも、キャッシュカードを紛失して再発行ならともかく、そもそもなぜ自分のお金を機械で引き出すのにあんなに手数料がかかるんだろうと、モヤモヤしてしまいます。

 そんなことを考えていた時、給与振り込みがPayPay(ペイペイ)などスマホ決済や電子マネーでもできるよう規制緩和が検討されているというニュースを見ました。これまでは現金か銀行振込に限られていたため銀行で貯金してきましたが、給与等の振込先が広がれば、預けたり運用したりする側の選択肢も広がっていくでしょう。そうなれば銀行側もまた別の変化を求められるはずです。

 にしても、両替にしろ電子決済にしろ、時代はもの凄い勢いで変わり、ついていくのが本当に大変。時代遅れにならぬよう頑張ります。

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