コロナ禍で迎える2021年のお正月。帰省や親戚での集まりを控える人が多い中、ツイッター上で見かけるようになったのが「お年玉どんな手段で送ろう」「いっそ振り込み?」「昔みたいに現金書留か」という声。一方、もらう側の子どもたちは「新年会がないということはお年玉なし?」「送ってほしい…」と戦々恐々。お年玉、あなたはどうしますか?
現金封筒は2種類あった!
ツイッターに気になる声がありました。それは「お年玉、現金書留で送りたいが封筒の使い方が分からない」「封筒型のポチ袋ないの?」「封筒サイズ2種あるの知らなかった」というもの。生まれてこのかた現金書留を利用したことがないという人は実は多いのかもしれません。
まず、郵便法では次のように定められています。「第十七条 現金又は郵便約款の定める貴金属、宝石その他の貴重品を郵便物として差し出すときは、書留(第四十五条第四項の規定によるものを除く。)の郵便物としなければならない」
現金を郵送するにはまず、郵便局窓口で販売する「現金封筒」を購入します。サイズは定形郵便サイズと大型サイズ(縦約21.5センチ、横約14センチ)の2種類あります。封筒の価格はいずれも21円。大型の方には豪華な水引きの付いたのし袋も入ります。紙幣だけでなく硬貨(日本の硬貨限定)や、手紙を同封することも可能。賠償額は最高50万円です。
封の仕方が少し特殊で、中ふた→下ふた→上ふたの順に糊付けします。封をしたのち、3カ所に割り印または署名をします。郵便ポストへの投函はNG。窓口で現金書留の手続きが必要です。
キャッシュレスお年玉、過半数が賛成
ではキャッシュレス派の意見は。総合マネースクールのファイナンシャルアカデミー(東京都千代田区)は11月、全国の子どもがいる男女300人にインターネットによるアンケート「キャッシュレスとお年玉に関する意識調査」を実施しました。
「お年玉のキャッシュレス化についてどのように思いますか?」の質問には、「とても良いと思う」10%、「まあ良いと思う」41%、「あまり良いとは思わない」33%、「全く良いと思わない」16%。
賛成派の理由は、1位は支払いが便利(23人)、2位はコロナ関連(衛生面、帰省ができない)(21人)、3位は現金や財布を持ち歩かずに済む(19人)。新札やポチ袋の準備が必要ないからという意見もありました。
一方、反対派の理由は、1位はお金のありがたみ、価値がわからない(60人)、2位は伝統だから、情緒がない(20人)、3位はセキュリティが不安(12人)。
キャッシュレス、何使う?
キャッシュレスにしたい理由は、新型コロナウイルス対策として衛生面で安心だから(12人)、帰省自粛で現金のお年玉を渡せないから(12人)など、コロナ禍ならではの事情が浮き彫りになりました。
何を使うかという問いには、スマホQR決済 (PayPay、LINE Payなど)(19人)、プリペイド型電子マネー(nanaco、WAONなど)(14人)、交通系ICカード(11人)が上位を占めました。
専門家「親がキャッシュレスに慣れた」
「お年玉は子どもたちにとって、お金について学ぶ絶好の機会」と話すのは、ファイナンシャルアカデミー講師の福田祥子さん。「新型コロナの影響はもちろん、2020年10月以降の政府によるキャッシュレス化推進施策もあり、親自身がキャッシュレス決済に慣れたことが『キャッシュレスのお年玉』をより肯定的に捉える要因になりました」と考察。「時代に応じた『お金を正しく扱える力』は、これからの子どもたちに必要です」とも述べました。