歯科でおこなわれる治療の内容、手順を紹介した漫画がSNS上で大きな注目を集めている。
この漫画を描いたのは漫画家の小西真冬さん（@mahuyu524）。
小西さんは以前、歯科助手として勤めた経験があり、「何をされているか分からないから歯医者が怖い」という人のためにこの漫画の制作を思い立ったという。たしかに歯科で治療内容の説明を受けても素人には理解できず、なんだかよくわからない不安な状態のまま治療を受けているというケースは多い。
小西さんの漫画に対し、SNSユーザー達からは
「これ昨日見れたら良かったです
最終段階に入って歯にかぶせもの？をした時に、少し高かったんですが何回も高さ治してくれてて申し訳ないと思って「大丈夫です」と言って帰ってきてしまいました
今違和感しかなくてもやもやします
もう一度治してもらった方いいんでしょうか、、」
「小さい頃から本当に歯が弱くて、マンガの内容見て懐かしくなりました･･･
と同時に勉強にもなりました！
自分に銀のクラウンてのが入ってると思うと何かかっこいいです」
「歯科衛生士です。めっちゃ楽しく読ませて頂きました！
うちもこれから石膏流す時はこんな笑い方しようと思います（笑）」
「虫歯治療中で色々気になっていたので助かります
親知らず抜歯の時や、神経を抜く時も何されていたのかわからなくて気になるのでもしお時間や機会がありましたら描いていただけたら嬉しいです…！」
など数々の絶賛のコメントが寄せられている。
小西さんにお話を聞いた。
中将タカノリ（以下中将）：この作品を制作、発表されようと思われたきっかけをお聞かせください。
小西真冬さん（以下小西）：きっかけは、奥さんが歯医者が嫌いな理由の一つとして「何をされているか分からない」と言っていたことでした。同じ理由で、歯科医院に対してマイナスな気持ちを持っている人たちへ「何をしているのかを知ってもらえれば安心してもらえるかもしれない」との思いから漫画を描きました。
中将：小西さんが歯科助手としてお勤めになった以前、以後で、歯科治療への印象に変化はありましたか？
小西：もちろん変わりました。私も最初は恐怖心があったのですが、考え方が変わった理由は2つあります。
一つは、治療の流れや使う器具、いま何をしているのかを正確に理解していなくても、少しだけでも知っているというだけで不安や恐怖心は軽減されるんだということを、実体験することによって発見しました。
もう一つは、知識を得たことで恐怖心よりも治療をしなければならないという思いが勝ったことです。毎日の歯磨きや市販のマウスウォッシュを使うなど、自分なりに気を遣っていたのに、歯周ポケットの深さを測ったり唾液検査をして口内菌数などを数字にして可視化すると、自身に歯周病の疑いと口臭があるという事実を知った時に、恐怖心よりもまず治療をしなければならないと思ったんです。
現在はすべての不安要素を排除し、口臭の数値もほぼゼロに近くなったので、3ヶ月に一度の定期検診のみを受けております。自分では気付けないことも歯科医院なら気付いてくれるので、恐怖心を持つことはもったいないことだと今は思っております。
中将：歯科助手としてお勤めになったことで得た発見や意外だったことなどお聞かせいただけないでしょうか。
小西：自身の今の口内環境を知ることの大切さを知ることができたのが一番大きな発見であり、気付いたことです。
唾液検査によって数値として分かりやすく知ることもそうなのですが、自分では目視できない部分をプロである医師や衛生士に見てもらうだけでも、今より改善できる点が見つかるかもしれないんです。
歯磨きのクセによる特定部分の磨き残しや、一部分の磨き過ぎからくる痛み、歯面は磨けているが歯間は磨けていないなどの指摘だけなら、教えてもらえれば今日からでも改善できると思いませんか。それを知っているだけでも、将来の虫歯や歯周症のリスクを減らすことにも繋がりますので今の状態を知るために、とりあえず検診だけでも受けてみてはいかがでしょうか。
中将：これまでのSNSの反響へのご感想をお聞かせください。
小西：賛否両論、たくさんのご意見をいただきました。
私が歯科医院に勤めていたのは4年前のことであり、1つの歯科医院にしか勤めたことがありません。この4年で進歩したことや先生の考え方の違いによる治療方針などは私には分かりません。ですので、漫画に描いたことが正解ではなく大体の流れであって、知っていれば不安が軽減されるかもくらいの気持ちで読んでもらえれば幸いです。
私はあくまで歯科助手でしたので医師のように診断や治療はできません。ですが歯科医院に通うことをお勧めすることはできるので、もし興味を持っていただけたのなら怖がらずに歯科医院に通ってみてください。歯科医院はそんなに怖くないですよ。
◇ ◇
歯を健康に保つことは全身の健康にも大きく作用する。もし歯医者嫌いで治療を先延ばしにしている方がいたら、ぜひ一度小西さんの漫画を読んで参考にしていただきたいと思う。
小西真冬さん関連情報
Twitterアカウント：https://twitter.com/mahuyu524
性別適合手術を受けた自身の経験を描いたエッセイコミックス「生まれる性別をまちがえた!」 （KADOKAWA）：https://www.amazon.co.jp/dp/4041052386
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