社員からの悩み相談を受ける際、負担に感じている管理職が6割超――そんな調査結果が、ポルムス株式会社(仙台市青葉区)による「管理職の負担」に関する調査でわかりました。では、具体的にどのような点に負担を感じているのでしょうか。
調査は、従業員数500人以下の企業に勤める全国の管理職1015人を対象として、2024年9月にインターネットで実施されました。
まず、「業務で特に時間や手をかけていること」を尋ねたところ、「業務の効率化」(42.3%)、「チーム・部門の運営」(38.5%)、「チームや部下のメンタルケア」(28.0%)などが上位に挙げられました。
そこで、「チームや部下のメンタルケア」や「部下のキャリア相談」に時間や手をかけていると回答した374人に、それらに取り組む「目的」を教えてもらったところ、「部下のパフォーマンスの向上」(34.8%)が最も多く、次いで「チームや会社の生産性向上」(20.6%)、「職場環境の改善を図る」(17.4%)が続きました。
さらに、全体の80.1%が「苦手だと感じる業務がある」と回答。具体的には、「部下とのコミュニケーション」(29.8%)が最多となったほか、「部下のマネジメント」(28.3%)、「上司や経営層とのやりとり」(24.9%)なども挙げられました。
また、「社員から悩みを相談される機会がある」(とてもある16.8%、ややある52.3%、あまりない25.4%)と答えた管理職は全体の94.5%。そのうち63.0%が「社員から悩みを相談されたとき、負担を感じる」(とても負担を感じる15.0%、やや負担を感じる48.0%)と回答しています。
続けて、「一度の相談に対して、どのくらい時間を割いていますか」と聞いたところ、「15分~30分未満」(44.4%)や「30分~45分未満」(23.8%)など、約7割が一度の相談に30分程度の時間を割り当てていることが判明。一度の相談時間はそこまで長くはないものの、日々の業務の中で突発的に時間を取る上では負担となるケースもありそうです。
また、「社員からの悩み相談を負担に感じる」と答えた604人に「どのような点に負担を感じますか」と質問したところ、「適切なアドバイスをすること」(44.4%)が最多となったほか、「部下の感情を受け止めること」(32.8%)、「プライバシーを守りつつ問題を解決すること」(32.1%)、「問題の解決策が見つからないこと」(29.1%)なども挙げられ、悩み相談に向き合うことの精神的なプレッシャーがうかがえました。
最後に、「社内に悩みを相談できる制度や窓口があったら、社員に利用を勧めたいですか」と尋ねたところ、約9割が部下に対して「相談窓口の利用を勧めたい」(とても勧めたい32.0%、やや勧めたい54.1%、あまり勧めたくない13.4%)と考えていることがわかりました。