近年日本でもさまざまな悩みを抱え、カウンセリングを受ける人が増えてきました。気軽にカウンセリングを受けられる環境も整いつつありますが、中にはとんでもない「モンスターカウンセラー」がいるようです。実際にカウンセリングを受けた人たちから「話を聞いてもらえなかった」「カウンセリングで否定されて傷ついた」「二度と行きたくない」といった声を聞くこともあります。子どもがカウンセリングを受けた際に困惑した経験を持つ、あやさん(30代・主婦)にお話を伺いました。
――カウンセリングを受けた経緯について教えてください
いじめが原因で低学年の娘が不登校になりました。教頭や担任はいじめを一切認めないため、なんの解決策も見つからずにいました。市の窓口にも問い合わせましたが「いじめの相談にはのっていない」と言われ、たまたま見つけたのがとある小児科のホームページでした。ホームページには「不登校・いじめ・育児相談、どんなことでもお気軽にご相談ください」と書かれていて、私は藁にもすがるような思いで予約をしました。
――実際に行ってみてどうでしたか
初日は医師のカウンセリングがあり、とても親切に話を聞いてくださいました。「一緒に頑張りましょう、焦らずにいきましょう」と励ましてくれて、「とてもいい先生だな」というのが初回の印象でした。この先生なら信頼できそうだし、通院してみようと一筋の光が差したように思ったのですが…2回目の診察時に思いもよらないことが起こりました。
2回目の診察、とんでもないことが!!
私と娘は医師の診察を受けるために伺ったのですが、私たちの会話をカーテン越しに立ち聞きしていた老齢の女性カウンセラーが、突然診察中にズカズカと名乗りもしないで入ってきたのです。
いきなり娘に向かって、大声で「あんたみたいな子は生意気やからいじめられんねん。いじめはなぁ、いじめられる方が悪いねん。あんたの生意気な性格はどこに行っても嫌われるわ」「しかもこんな小さい子が男性医師に色目を使って怖いわぁ。私の目もみいひん。将来どんな大人になるんやろな、あーこわっ」と娘を侮辱し始めたのです。
さらには「あんた死にたいならこっからから飛び降りて死ね!!」と娘を恫喝し、「あんたのその腐った性根、これから徹底的に叩き直してやるからな、覚悟しとけ」と娘を威喝。娘は私の隣で泣くのを必死でこらえていました。
私に対しては「うちはいじめや不登校の相談なんかやってへん。そんなもん学校で解決してこい。いちいちうちに相談に来んとってくれる?」「それにあんたなぁ、素人のくせにいじめ隠蔽とかもみ消しとか専門用語使わんとってくれる?聞いてて恥ずかしいわ」と私にも噛みついて来たのです。
――そのとき医師はどうしていたのですか?
医師は隣で黙って頷いているだけでした。
こちらをかばうこともなく、一言も喋りもしないでそこにただ座っているだけでした。私は医師の診察・カウンセリングを受けに来たのであり、こんな不躾な女性に会うために病院に来たのではありません。こんな女性がいると最初から知っていれば行かなかったです。医師を信頼していただけにとてもショックでした。帰り際その女性に「2週間後にまた予約取りや!!」と言われましたが、私は当然予約を取ることも、再び行くこともありませんでした。
私はなぜあのとき、文句の一つでも言って、怒って途中で帰らなかったのだろうかと、とても後悔しています。娘を守れなかった自分の愚かさを情けなく思います。学校で傷を負い、心をケアするために連れて来た場所でさらに傷つけられ、どんなに怖かっただろう。…娘の気持ちを思うといたたまれませんでした。すぐに娘を連れて帰るべきだったと今でも思っています。
世の中には相談にのってくれる人はたくさんいます
もしも、歪んだ持論を振りかざし、人格否定や暴言を吐くような「モンスターカウンセラー」に遭遇してしまった場合は、すぐにでもその人から離れたほうがよいでしょう。世の中には素晴らしいカウンセラーがいますし、相談にのってくれる人はたくさんいます。
【不登校やいじめの相談窓口】
▽子どもの人権110番
電話は最寄りの法務局・地方法務局につながります。法務局職員又は人権擁護委員が相談を受けます。
0120-007-110
対応時間:月~金 8時30分~17時15分
※祝日・年末年始(12月29日~1月3日)を除く
▽チャイルドライン
18歳までの子どものための相談先。「受け手」と呼ばれるボランティアの大人たちが話を聞いてくれます。
0120-99-7777
毎日 午後4時~午後9時
※12月29日~1月3日はお休みです
※一部の都道府県では時間を延長して受けています
▽よりそいホットライン
24時間通話料無料。一般社団法人社会的包摂サポートセンターが運営。
0120‐279‐338(岩手県・宮城県・福島県からは0120-279-226)