何となく体調がよくない「秋バテ」の対処法 夏にアイスや冷房で体を冷やしすぎた人は要注意

ドクター備忘録

松本 浩彦 松本 浩彦

 毎年の恒例になってしまいましたが、今回は私がいつも話題にしている「秋バテにご注意!!」です。今年の夏は異常気象の連続で、特に野菜は大凶作で値段が通常の3倍に高騰しているとか。野菜でもそうですから、人間にとっても身体に負担のかかりやすい気候でしたね。みなさん体調はいかがでしたか。

 夏バテというのは、寒暖の差が激しいことで起こります。冷房の効いた室内と暑い外を出たり入ったりするのが、いちばん夏バテをきたしやすいのです。夏バテは盛夏のものと思われがちですが、医療の現場では夏の終わり、初秋に多く見られます。夏の間に体を冷やし過ぎたことが原因で、全身倦怠感・食欲不振・消化不良などがみられます。寝込むほどの重症ではないけど、何となく体調がすぐれない。これが秋バテです。

 真夏に冷たいものばかり食べたり飲んだり、ずっと冷房の効いた室内にいたりした人は、新陳代謝も低下しています。涼しくなり始めた今頃に疲れが出て、秋バテになるのです。もともとの原因は自律神経の乱れによるものです。

 自律神経を整える薬はいろいろありますが、私がいつもお勧めしているのは、ぬるめのお湯にゆっくり浸かる半身浴。そしてその後すぐに布団に入ることです。入浴後まだ身体が温かいうちに、サッと寝床に入ってしまう。風呂から出てゴソゴソせずに、さっさと体を拭いたらパジャマに着替えて、身体が冷める前に睡眠モードに入る。

 1週間も続ければ、疲れを取る深い眠りがとれるようになっていきます。そのためには、入浴のタイミングを一日の最後に持ってくるという、生活のサイクルを変える必要が出てきますが、そんなちょっとしたことの積み重ねで健康は維持できるものです。

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