全身倦怠感、食欲不振、消化不良…秋バテに注意 夏の間に体を冷やし過ぎた疲れが原因

ドクター備忘録

松本 浩彦 松本 浩彦
夏の間の疲れが今ごろになって出てくることも(maroke/stock.adobe.com)
夏の間の疲れが今ごろになって出てくることも(maroke/stock.adobe.com)

 今年の夏は暑かったり寒かったりのくり返しで、なんとも身体に負担のかかりやすい気候でしたが、みなさん体調はいかがでしたか?
 夏バテというのは、寒暖の差が激しいことで起こります。冷房のよく効いた室内と暑い外を出たり入ったりするのが、いちばん夏バテをきたしやすいのです。今年は熱中症より、むしろ夏バテが心配される夏でした。

 さて、この季節になると私がいつも警鐘を鳴らすのが「秋バテにご注意!!」です。夏バテは盛夏のものと思われがちですが、医療の現場では猛暑が終わった後に多く見られます。夏の間に体を冷やし過ぎたことが原因で、主な症状は、全身倦怠感、食欲不振、消化不良などです。

 寝込むほどの重症感はないけど、何となく体調がすぐれない。これが秋バテです。真夏に冷たいものばかり食べたり飲んだり、ずっと冷房の効いた室内にいた人は、新陳代謝も低下しています。涼しくなり始めた今頃に疲れが出て、秋バテになるのです。

 もともとの原因は自律神経の乱れによるものです。自律神経を整える薬は、漢方などいろいろありますが、私が最近お奨めしているのは、ぬるめのお湯にゆっくり浸かる半身浴と、その後すぐに布団に入ることです。入浴後まだ身体が温かいうちに、サッと寝床に入ってしまう。風呂から出てゴソゴソせずに、さっさと体を拭いたらパジャマに着替えて、身体が冷める前に睡眠モードに入る。

 これを一週間も続ければ、疲れを取る深い眠りが取れるようになっていきます。そのためには、入浴のタイミングを一日の最後に持ってくるという、生活のサイクルを変える必要が出てきますが、そんなちょっとした積み重ねで健康は維持できます。一度お試しください。

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