逆にカワイイ…のか? クセが強すぎる地方局サンテレビの「おっ!サン」グッズが売れまくり中

伊藤 大介 伊藤 大介

兵庫県の独立局「サンテレビ」(神戸市中央区)が期間限定でJR神戸駅の地下街「デュオこうべ山の手」に出店したPRショップ「おっ!サンの店」の売り上げが好調です。阪神タイガースの試合中継に力を入れるサンテレビでは、阪神ファンのおっさんと、太陽を掛け合わせたマスコットキャラクター「おっ!サン」の独自商品を多数展開。クセの強い商品で訪れた人を引き付けています。

2021年6月に開店し、8月末で閉店予定でしたが、売り上げ好調のため2度の延期を経て、10月17日にようやく閉店が決定。11月1日から1カ月間は、新商品を携えて大阪市中央区のなんばマルイに出店します。

おっ!サンぬいぐるみ、金太郎飴、ヘッドカバー…キモカワイイ商品続々

おっ!サンは2005年12月にデビューした、眼鏡にひげをたくわえたサンテレビのキャラクターです。強烈なインパクトを放つ一方、お世辞にも可愛いとは言えず、当初はサンテレビ社内でも「気持ち悪い」という声が上がったとか。しかし、関西弁丸出しのおっ!サンはそのクセの強さを生かして徐々に勢力を拡大。いつの間にか阪神ファンや視聴者たちも「逆に可愛い」と洗脳され、今ではすっかりサンテレビの顔として定着しています。

サンテレビは2020年12月、JR神戸駅前に新社屋が完成。移転記念として「おっ!サンの店」出店を企画しました。

店にはオリジナルグッズが所狭しと並びます。立体的な太陽の造形がキモカワイイおっ!サンのぬいぐるみ、ゴルフクラブを包むヘッドカバー、断面からおっ!サンが顔を出す金太郎飴といったグッズから、野球中継を延長した時に表示されるテロップ「この後の番組は、野球中継が終わり次第お送りします」をデザインしたマフラータオルや、釣り番組「ビッグフィッシング」のタオルなど、サンテレビならではの渋い商品が多数ラインナップされています。

伝説の暴動をネタにした「サンテレビは俺たちの味方や」

グッズの中には、伝説の暴動をネタにしたものもあります。1973年10月、阪神、巨人とも勝てば優勝という大一番で、阪神は0-9と完敗し、巨人はV9を達成。怒り心頭の阪神ファンは甲子園球場のグラウンドへなだれ込み、王貞治に殴りかかったのです。この時、ヒートアップした暴徒たちは民放局の機材を打ち壊すなどしましたが、サンテレビの中継機材に対しては「サンテレビは俺たちの味方や」とかばう阪神ファンがいたため、被害を受けなかったといわれています。半世紀の時を経て、この逸話をもとに生まれたのが「サンテレビは俺たちの味方や」と記されたマフラータオルです。

48年前の暴動を、現在のサンテレビ社員が知っているとも思えません。番組宣伝などの広報を担い、おっ!サングッズを担当する水落理奈さんは「私たちも来てくれたお客さんに話を聞いて、教わることが多いんです」と話します。

おっ!サンの店では、社員も接客を担います。サンテレビ愛の深いお客さんと言葉を交わす中で、生まれた商品も少なくありません。水落さんは「家に帰っても、お風呂に入っていても、『こんな商品ができないか』とずっと考えていました」と振り返ります。出店後も次々と新商品を企画し、約85種類を展開(約15種類が完売)。首位を走っていた阪神タイガースの好調も手伝って、売り上げは想定の2倍以上を記録しました。別の社員は「オープン初日はお客さんがひっきりなしで、ずっとレジを叩いていました。ここまで売り上げが伸びるとは思わなかったです」と喜んでいます。

ちなみに商品の人気1位はおっ!サンが「ウェーイ」とポンポンを振るフェイスタオル、2位はサンテレビボックス席のテーマ曲が流れるキーホルダー、3位は旧社屋があったポートアイランドから新社屋が立つ神戸港方面へおっ!サンが動くフローティングペンだそうです。

大阪出店では新商品も

11月限定で出店するなんばマルイ(大阪市中央区)では、さらに新商品を展開します。ビールの香りがする入浴剤「おっ!サンの湯 勝利のかおり」、12カ月分描き下ろしの「おっ!サンカレンダー」、ハーフキャップ、阪神タイガースとのコラボユニフォームなど、個性の強い商品が新登場します。お楽しみに。

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