いろんな魚にイワシって名前つけすぎなんじゃないの?
「イワシ」と名付けられた魚たちの繁雑で難解な分類図がSNS上で大きな注目を集めている。この分類図を制作したのは胡麻さん(@GotoSesame)。
胡麻さんによるとイワシの分類はかなり混乱しており、条鰭類を綱にするか亜綱にするかも一定せず、先日、駿河湾で新種として発見されたヨコヅナイワシの属するセキトリイワシにしても、亜目にしてニギスの下にぶら下げるか、科にしてキュウリウオ目に含めるかで説が分かれてるということ。
そのあまりのややこしさに、SNSユーザー達からは「いろんな魚だとわかる前に名前付けちゃった感じ?」「ロシア語だとイヴァシーと呼んだりする。日本がイワシに対して分類細かすぎるだけで海外だと結構ざっくりした分け方だったりする」「英語もとりあえず飛ぶ昆虫は「…fly」とつけときゃいいやってとこありますな(笑)」「鯛に関してはイワシよりもひどそう」など数々のコメントが寄せられている。
胡麻さんにお話をうかがってみた。
中将タカノリ:この分類図を作ろうと思われたきっかけをお聞かせください。
胡麻:直接のきっかけは、駿河湾で発見された新種の深海魚にヨコヅナイワシと命名されたという1月30日のニュースです。映像を見て「え、これがイワシ?」と思って調べてみて、私たちがふだん食べるマイワシやウルメイワシ、カタクチイワシなどとはまったく種類がちがうことを知りました。そうした魚屋でおなじみのイワシとは縁遠い、実に多種の魚にイワシの名がついているのが面白いと思い、この図を作りました。
もともと生物の命名って面白いなということは感じていました。たとえばコバンザメやチョウザメ、またスズメダイやギンメダイのように、本来のサメやタイとはかけ離れた種が同じ名前でくくられているのが以前から気になっていたので、今回のイワシもその延長です。
中将:胡麻さんが特にイワシマニアだとかそういうわけではないんですね(笑)。
胡麻:イワシに特に思い入れはありません。普通に好きですが。梅干しと一緒に煮たのとか、おいしいですよね。
中将:僕も梅干しと一緒に煮たやつとか、シソで巻いて揚げたりしやつは大好きです…。ご投稿にはコメントもたくさん寄せられていますが、反響へのご感想をお聞かせください
胡麻:びっくりしました。どんどん伸びていく数字に「なんで? なんで?」という感じです。みんなイワシが好きなんだなあ、と感じました。アメリカの大学の魚類学者の方からまで反応をいただけたのはうれしかったです。
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ふだん魚ともイラストとも縁のない仕事をしているという胡麻さんだが、今回の分類図のプロフェッショナルな仕上がりには驚きだ。その時々に興味を持ったことについて投稿するというスタイルらしいので、今後も胡麻さんのSNSから目が離せない。
イワシ好きの釣りタレントもびっくり
胡麻さん制作の分類図について、釣りタレントで、イワシ好きがこうじて「イワシのワルツ」という楽曲まで歌っている釣女ちゃこ(ちょうじょ ちゃこ)さんにもお話をうかがった。
中将:分類図を見たご感想をお聞かせください。
ちゃこ:ふだん魚関係のお仕事はされていないということなのに、とても詳しく調べられていて凄いなとびっくりしました!マイワシとかカタクチイワシはお馴染みですが、希少な高級魚のハダカイワシをイラスト入りで図に入れておられることにも興味を持ちました。
中将:釣りをされていてこれだけの種類のイワシに接することはありますか?
ちゃこ:もちろんこんなには接する機会がないですし、私も知らない種類が多かったです。
釣りをする人たちからすればイワシは馴染み深い魚。これだけ調べて、発信してくれた胡麻さんにはなんだか感謝の気持ちが沸いています。
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▽釣女ちゃこ (河野ちあき)
音楽事務所LAZY ART所属。
2006年、ボーカルユニット「沢田組」としてデビュー。グループ解散後はソロシンガー、タレントとして活動。2011年以降は趣味の釣りを活かし“釣女ちゃこ”として釣りタレントとしても活動を展開している。現在釣り番組「ルアルアチャンネル」(サンテレビ、テレビ神奈川等)にレギュラー出演中。