かつてホテルや旅館に泊まると、部屋の鍵に透明か半透明の細長いキーホルダーが付いていたのを覚えている人も多いでしょう。そんなキーホルダーをイメージしたグッズが、この夏登場しました。しかも、ゆるーい猫のイラストがあって、1980年代のファンシーグッズをほうふつとさせます。現在は京都と岩手で販売されているこのキーホルダー、どのような意図で作られたのでしょうか。
京都市上京区の「旅の情報ステーション 風の駅」が企画した「叡山電車×三陸鉄道ルームキーホルダー」です。キーホルダーは縦、横それぞれ1・5センチ、長さ10センチです。さらに部屋番号にあたる「712」という数字が書かれています。ほんわかとした猫のイラストが印刷されており、80年代ぽいファンシーさと懐かしさを醸し出しています。
このキーホルダー、実は京都を走る叡山電鉄と岩手県の三陸鉄道を支援する目的で作られました。源平の合戦で活躍した源義経が叡山電鉄の沿線にある鞍馬(京都市左京区)で修行し、三陸鉄道が走る岩手県で最期を迎えたという歴史にちなみ、両社は近年、交流を重ねています。
キーホルダーには、アルファベットで「EIDEN×SANTETSU」と両社の社名がプリントされています。ルームキーの部屋番号にあたる部分には「712」という数字が書かれています。風の駅の「駅長」太貫まひろさんによると、「712」は叡山電鉄と三陸鉄道で実際に存在する車両番号だそうです。
でも、なぜこんなグッズを企画したのでしょうか。太貫駅長は「昨年から新型コロナウイルスの感染拡大で旅行ができなくなりました。少しでも旅行や宿泊している気分を味わってほしくて、このルームキー型キーホルダーを作りました」と話します。
キーホルダーは文字色が青と白の2種類です。どことなく1980年代のにおいを感じられるこのグッズ。旅行気分だけでなく、時間旅行の気分にも浸れそうです。
販売しているのは、三陸鉄道宮古駅隣接の「さんてつや」(岩手県宮古市)と風の駅(京都市上京区桝形通河原町西入ル)の2カ所。インターネットでの通信販売もあり、「京都風の駅ショップ」で検索するとサイトを見つけられます。価格は千円で、売上の一部は叡山電鉄と三陸鉄道の支援に充てられます。