シリーズ累計890万部を突破した「うんこ漢字ドリル」の文響社(東京都港区)から、子どもが進んで勉強したくなるという学習アプリ「うんこゼミ」が登場した。
クイズに勝って偉人の「うんこ」を集めよう
アプリはクイズゲーム形式で、タイムマシンに乗って孔子やエジソン、ナポレオンといった偉人たちに出会い、クイズで対戦するというもの。ステージをクリアしていくことで偉人たちの「うんこ」を集め、コンプリートを目指すストーリーだ。問題の約4分の1には、おなじみの「うんこ」という言葉も登場する。
ここまで読んで「うんこという言葉を使ったちょっとユニークなクイズゲームか…」と思った人はちょっと待ってほしい。実はこのアプリ、そんなに単純なものではない。プロダクトマネージャーの文字祐介さんに話を聞くと、子どもが夢中になって問題に挑みたくなる仕掛けがふんだんに散りばめられた新感覚のゲームアプリのようなのだ。
例えばステージ序盤の問題は、知識がなくても勘で正解できるような2択問題がメイン。ステージが上がるごとに、同じ問題が出た場合には4択、記述式…と徐々に解答の難度を上げ、学びを深めていく。
この仕組みについて、文字さんは「『正解した』という気持ちのいい原体験が学びを楽しくする。そうして気持ちよく問題に挑み続けていけば、自然とスモールステップが積み重なり、学びが定着していくと考えました」と解説する。
問題を解ける楽しさが自信に
この「気持ちよさ」こそが、うんこゼミのキーワードのひとつだ。
教科には、国語、算数、理科、社会、英語のほかに、「茶碗一杯のごはんはおよそ何粒?」といった「教養」科目が入っているが、実はここにも「これ知ってる?」と大人に披露したくなる問題を…という狙いがある。
「大人が知らないことを知っているって、子どもにとっては嬉しくて気持ちいいことですよね。さらに、『知らなかった』『すごいね』なんて言ってもらえたら自信につながるし、勉強のモチベーションも上がると思うのです」
ほかにも、子どもが自信をつける工夫として、「ゴースト」が対戦相手となることも。
「ここで言うゴーストとは、過去の自分のことです。ゴーストが出す問題は、例えば1週間前に自分が解答した問題だったりする。それと競って勝てれば、自分の成長を実感できて自信につながります」
相手が自分であれ他人であれ、知識で勝つことは気持ちよく、「自分って頭いいんじゃない?」と思えるきっかけになる。これこそが、学びが楽しくなるポイントだと文字さんは話す。
「僕は高校生の頃、全然勉強なんてできなかったのですが、ある問題集で1問だけ京都大学の試験問題に正解したんです。京大を目指そうなんて考えたこともなかったのに、それだけで『俺、いけるんちゃう?』って思えた。この体験がきっかけで、結果的に京都大学に進学できました。…2浪する羽目にはなりましたが(笑)」
「『自分ならできる』と思えることが学びを楽しくする」と文字さん。そのきっかけをひとつでも多く提供したいという思いが、「うんこゼミ」の様々な仕掛けに込められている。
自由に楽しく学力を伸ばす…うんこで
実際に、小学3~6年生の約150人がダウンロードしたベータ版では、わずか3カ月の間に1000問以上の問題に答えた子が3割近く。中には、同じ期間で9000問に答えた強者もいるという。登場する偉人は全部で100人だが、最速1カ月半で全ステージをクリアした子もいた、と文字さんは喜ぶ。「想像以上に子どもたちがプレイしてくれまして。子どもたちに負けないように、急いで2周目の問題をつくりました」
「勉強って、『しなくてはならない』からつらくなる。でも、例えば江戸時代の寺子屋に子どもたちが集まったように、本質的に子どもには学びの欲求があるはずなんです。その欲求を伸ばすには、従来のフォーマットで勉強させることにこだわるのではなく、子どもの欲求に寄り添うプロダクトを用意してあげればいいのではないかと考えました。自由に楽しく学びながら学力をつけていけるプロダクトであるよう、これからもブラッシュアップを続けていきます」
オンライン対戦モードも今夏にリリース予定だという「うんこゼミ」。基本月額料金は2480円(1カ月おためし無料)で、利用申し込みは専用サイトから。ブラウザで使用するWebアプリケーションなのでダウンロードは不要だ。
外出がままならない夏休みに「勉強しなさい!」と言うのは親だってつらい。何も言わなくても子どもが夢中になるという学習アプリなら、家庭学習の心強いサポーターになってくれるかもしれない。
▼「うんこゼミ」利用申し込み・アプリ詳細
https://app.unkogakuen.com/register/
▼うんこ学園(笑いながら学べる教育プラットフォーム)